親が珍しい風呂にはまった。
牛乳をドパドパ入れてみたり、パセリを入れてみたり、ろくな風呂が無かった。

結局臭かったりなんだりで、桧の切れ端を入れる桧風呂に落ち着いたらしい。
近所で切ってた桧の端切れをもらい、みかん網に入れて裏庭に干し、風呂釜に入れるのが家の標準風呂になった。

ある日、普通の風呂だなと思いつつ風呂に入っていたら、親が洗面所から桧の入ったみかん網を投げてきた。
そういうことか、と思い風呂釜に入れた瞬間・・・。

ビチビチビチ!!大量のムカデがプカプカと浮かび上がり、もがきながら陸地を求めて生肌に這い上がって来た。
振り払っても振り払ってもムカデ。
ムカデも必死。
振り落とされてはしがみ付き振り落とされてはしがみ付き、アゴまで来た奴もいて、半狂乱になった。

どうやら裏庭で干している時に、ムカデ御一行が桧のチップの隙間に入り込んだらしい。
思わず熱湯を頭からかぶりそうになった所で救出。
しこたま殺虫剤をかけられ、肌荒れ。
噛まれた箇所10ヶ所。
総勢13匹のムカデが風呂釜に浮いていた。

ほとんど体長1.5センチ程度のちびムカデだから良かったものの・・・。
1匹10センチのムカデが風呂釜の底でユラユラ揺れていて、洒落にならない程恐かった。
極度の虫嫌いはショック死すると思われる体験でした。