大昔、まだ日本が貧しかったころ・・・。
特に東北の地方では、その年の天候によって作物が獲れない事が多かった。
それでも人間、やることはやる。
子供ばかり増える事に悩む若い夫婦がいた・・・。
「あんた、もう食べる物がないよ」ヒステリックな奥さんは今日も大声で怒鳴り散らしている。
気の弱い旦那はほとほと困り果てて「しかたない・・・子供を・・・間引くか・・・」
と、最後の手段を心に決めた。

その夜、旦那は寝息を立てている一番小さい末っ子を揺り起こした。
「五郎・・・五郎・・・起きろ・・・お前の好きな餅を買ってきたぞ」くずる子供を無理矢理起こして、外に連れ出す。
しばらく無言で子供の手を引いて歩いていたが、とうとう村外れの池のほとりまで来た。

「おとう、餅はいいから家に帰ろう?」
不安になった子供が振り向くか早いか、旦那は手にしていた木の棒で息子の脳天を打ち付けた。
翌日、旦那は子供の血がしみた木の棒を削り、人形を作った。
供養のために子供に似せて・・・。
これがコケシの起源である。

子供を消すから子消し・・・。
コケシ・・・。