私の叔母が田舎の宿で体験した話。

もう十年ほど前の話である。
ほたる狩りをすべく田舎のひなびた宿、テレビもないような所に泊まる事になった。
付近は街灯がほとんどなくてほたる狩りをする頃はもう真っ暗闇。

懐中電灯がなければ前に誰がいるのかもわからない程だった。
宿の人間が車を出してくれるというので、スポットの付近まで車で行く事になった。
ホタルを見れてご満悦の叔母であったが宿の人の顔色がなんとも良くない。
「すいません、車のキーを紛失しちゃいました・・・。」辺りは草が生茂っていて昼間でも探し物が難しいくらい。

「宿に帰ってスペアをとってくるんで、楽しんでいて下さい」そう言われて叔母はそこに一人残されてしまった。

叔母がほたるを追いその辺を散策していると、懐中電灯の明かりにてらされて、橋の欄干がぼぉっと浮かび上がる。
下に川が流れているのかと思った叔母が欄干を覗き込む。
すると、女物のサンダルが並べておいてあるではないか!

恐る恐る下を覗くと、そこには「た・・・すけ・・て・・・」

懐中電灯で照らし出された血まみれの女が欄干を掴んでいた!!
ギャーと叫んで逃げ出す叔母!

何メートルか走った所で後ろを振り返ると真後ろに血まみれの女が立っているではないか!!
生暖かい息を吹きかけて肩をつかまれ「ど・・・うして・・・逃げる・・・の・・・?」

動転した母親はもう叫ぶこともできなかったという。

そこに運良く宿の車がやってきたのだ!
慌てて車にとびつく叔母とその後ろを追いかける血まみれの女。
宿の従業員まで動転してしまって「うわぁ!幽霊だぁ!!」なんて叫んだらしい。
しかし、その時「えっ、わ、私幽霊なんかじゃありません!!」

話を聞くと、旅行先で彼氏に捨てられ自殺しようと思ったが。
橋のしたの水が干上がっていて落ちた瞬間額を割ったとのこと。
あとで救急車を呼んで女性は病院へ。
叔母にはお中元にメロンが届いたそうです。