ある青年がいた。
彼は旅が好きだったが、いわゆる観光地ではなく、むしろ誰も行かないような辺境を好んで目的地に選んでいた。

そんな彼はアフリカのある都市に降りたった。

ある日、あてもなくぶらぶらと観光をしていると、「どこから来たの?」と、道端で現地の女の子が声をかけてきた。
英語だったことで何とかコミュニケーションもとれ、楽しいひと時を過ごすふたり。

そして、話がはずんだところで高校生だと言う彼女が言ってきた。

「あなた、気に入っちゃった。ウチに来ない?ところでさ、私、今お小遣いが少ないんだけど、ちょっとお金くれない?」
アフリカにも援助交際があるのかと思い、旅の恥は書き捨てと、いくら欲しいか聞いてみた。
あまりの安さに驚いたが、物価が違うからこんなもんかと、とりあえずお小遣いをあげた。

その子の部屋で熱い夜を過ごした翌朝、彼が起きるとすでに起きていた彼女が手招きをしている。

「家族に見つかったらまずいだろう。援交で、ましてや外国人だし」と思ったが、なんとなく素直に従った。

案内されたのは家のダイニングで、両親どころか沢山の姉妹、弟までにぎやかに朝食をとっているところだった。

「まあ、君も食べなさい」と父親に言われ不思議な気持ちで食卓に着いたが、怒られるどころか日本について色々と聞いてきたりと、明るくその場は過ぎた。

帰ろうとすると「もう少しいればいいじゃないか」と止められ、結局2週間も彼女の部屋に寝泊りしてしまった。
その間、しばしば彼女にお小遣いをせびられていたが、宿代よりはるかに安かったのであげていた。

そのうち「ずっといればいいのに」と言われ、結婚しようということかと悟った彼は、怖くなってその家を出ることにする。

そして数日後、彼は街中で他の女の子に声をかけられる。
驚いたことにまた「ウチに来ない?で、お金が欲しいんだけれど」と言われ、気がついてみるとまたもや家族と朝食をとっていた。

結局、1ヶ月の滞在でほとんどホテルに泊まることはなかった。
結果的には滞在費が安く済んだので良かったが、あれは売春だったのか、それとも・・・。