霊感は全くない自分が体験した一番怖い話です。
怖くなかったらすいません。

山口の周南市(旧徳山市)に回天の基地があったことは、映画にもなってるので知ってる人もいると思いますが、そこでの話。
ちなみに回天ってのは人間が操縦する魚雷のことです。

俺は釣りが好きで、光市やら周南市の漁港近くで普段から釣りしてたんですが、回天の基地でいい釣り場があると言われ、興味を持ちまして、フェリーで行ってみることにしたのです。

釣り場は魚雷を下ろすように掘り下げられた場所があり、その下が水深も深くて、びっしりと生えてるカラス貝の周りに目で見えるくらいの沢山の魚が泳いでいました。
すでに自分以外にも釣り人がいて、空いている場所を陣取ってカワハギやらアジやらをサビキで釣りまくってましたが、思いのほか沢山釣れたので早めに帰ることにしました。

次のフェリー到着までちょっと時間があるので、回天の実物を展示してるところを見てまわりました。

4メートルくらいはある魚雷が博物館?の近くに展示してあって、それを見てみようと近づいたとき、魚雷の中から「ゴンゴン」と音がしました。

気のせいかと思ってしばらく展示物の前にある説明文などを呼んでたら、「うわああああ!」とか、中から叩く音と共に、明らかに叫んでいる声が聞こえたんです。

最初はどういう風に入ったのか、中に子供が閉じ込められてるって気がして、「おい、大丈夫か?」とか言いながら外からゴンゴンと叩いてみましたが返答なし。
よく見たら入り口が溶接してあって、入れるようには作られてない。

急に寒気がしたのと、何か不安になって(心拍数が上がりまくって)、逃げるようにフェリー乗り場に行きました。
なぜか周囲は真っ暗。
自分は余裕を持って最終便の2個前に乗る予定だったのに、なぜか最終便にぎりぎり間に合ったという感じです。

あの場所に2時間近くいたことになる。

フェリーに乗ってからも、そのゴンゴンって音がしたような気がして外には出れまず、ずっと客室でテレビを見てました。

これは5年くらい前の話なんですが、今年の夏に光市のフィッシングパークっていう、桟橋を釣り用として作られた場所で釣りしてたら、明らかにゴンゴーンって音がしてました。

でもその時は、家族連れで来てた人達もその音を聞いてました。
そこの子供が、「なんか人がいるよ」って言って、親がそんなわけないだろう、て笑っていた時には本当にびっくりしました。

自分には人の声までは聞こえませんでしたけど、回天基地のことを思い出しましたよ。
っていうか、ずっと憑いてきたのか?とか思って本気で怖かったです。

ちなみに、その親子は子供が「怖い怖い」といい始めたからか、5分も経たないくらいの間に釣エサの塊を放り投げた後に
切り上げて帰ってしまいました。

自分はその釣エサの塊に魚が集まってきたのでしばらく釣ってたら、気分が悪くなってのを覚えています。

あまり怖くない話でしたが、その時は本当にぞっとしました。