クリスマスの夜、とある家族にある出来事が起こった。

その夜、家には母親と子供だけしかいなかった。
二人はプレゼントを持ってやって来るであろう、父親の帰りを待っていた。
しかし、父親はなかなか帰ってこなかった。
随分と夜がふけ、子供は眠ってしまった。
母親はなおも夫の帰りを待ち続けたが、結局その夜、父親が家に帰ってくることはなかった。

そしてそれから幾日かが経っても、父親は家に帰らなかった。
さすがに只事ではないと悟った母親は、警察に捜索願を出した。

やがて、二人が暮らす家の中に、原因不明の異臭が立ち込めるようになった。
そこでハウスクリーナーを呼び、臭いの元になっていそうな場所を調べ、原因を取り除くことにした。

やがて、臭いの発生場所がわかった。
そのひどい臭いは、暖炉の上、煙突の中から発生している。
不審に思ったハウスクリーナーが、煙突の上の方をつつくと、何かが詰まっている。
今度はその詰まりを取り除こうと、少し乱暴にその何かを突くと、ドサッという音と共にそれが暖炉に落ちてきた。

それは、サンタクロースの格好をした、一家の父親の死体であった。
姿を消したクリスマスの夜、彼はプレゼントを抱え、サンタクロースの格好をして煙突から現れようとしたのだが、その途中で首の骨を折り、そのままずっと煙突の中に取り残されていたのだった。