宝島を見つけようと必死で探した夏休み。
川の横で知らない子が一人立ってニコニコ笑ってる。

「宝物ならこの端の滝つぼに埋まってるよ」と友人達しか知らない目的を口に出す少年。

友人達は誰が教えたのか?と顔を見渡すも皆同様に困り顔。

少年はニコニコ笑いながら、「本当だよ。あそこにあるよ、宝物」と歌でも歌うように川の端を指す。

さて、これはどうしたものかと考えあぐねるも、少年が嘘をついてるようには見えず、信じ始めた者から順にそこを目指し川を泳ぐ。

少年が帰るそぶりを見せながら「一番の宝物なーんだ?」と謎かけのように大きな声で軽やかにこちらへ投げかける。

泳ぎながらも考えるが考えは纏まらず。
少年が聞こえるか聞こえぬかのか細い声で何かを呟く。

数人がそれを聞き引き返す。
先頭の者には聞こえずか、そのまま指された場所を目指す。
ボクは引き返す。

少年は確かに言ったから「それはね・・・」と。

先頭に行った友人のうち1名死亡、1名未だに行方不明、そして身元不明の遺体1名。

今年も川に花を流しに行ってきた。
川の横に少年がニコニコと笑っていた。

「一番の宝ものなーんだ?」と聞かれずによかった。

ボクには今、家族がいるから。