某高等学校演劇部、私の友達のAちゃんは演劇部の部長でした。
3年生になり最後の演劇大会も終わり、引退の時期が近くなった頃、Aちゃんの演劇部では最後の思い出にドラマの撮影をやってみようということになったそうで、内容は本で見たり聞いたりした怖い話を実写にしようということだったそうです。

そこでキャンプと同時に山のほうの川に行きホラーの撮影を行うということになりました。
私も撮影が終わったら見せてほしいといいました。

Aちゃんも無事にキャンプが終わり撮影で撮った映像を編集することになった。
父の仕事柄パソコンに詳しい私も一緒に編集を手伝うことになりました。
そこで私の家で編集作業をしていたとき、映像に小さな男の子の横顔が映っていたのです。

もちろんそんな男の子は学校にもいないし知らない子でした。
でも、きっとホラーの撮影だから誰かの弟でも連れてきて撮影をしたのだろうと思いました。
しかし、みんなで編集作業が終わり喫茶店で少し話をしていたとき、後輩の一人が映像に小さな男の子の横顔を見たと言い出したのです。
そういうものだと思っていた私も見たよといいました。

しかし、みんなそんな男の子と撮影した覚えなどなく不思議に感じていました。
しばらくし怖いドラマが完成し図書室で特別に貸し出しをし感想を集めることにしたそうです。
そのころはみんな不思議な男の子のことは忘れていました。
でも少しづづ感想を集めていくうちに奇妙なことが起こったのです。

感想の中にはあの小さな男の子の顔のことが書いていることがあり、その目撃情報は人によって男の子の顔が向いている方向が違ったそうです。

Aちゃんは不思議に思いそのことについて怖いドラマのDVDを借りた人に聞いてみたそうです。
するとその映像の男の子の顔はだんだん横から前を向いてきていたのです。
その相談をうけた私はAちゃんと一緒に問題の場面を見ることにしました。

すると男の顔はあともう少しで真正面を向くほどになっていたのです。
そこで私は誰かのいたずらだろうと思い父にCGやグラフィックの可能性がないか聞いてみることにしたのです。

そして急遽貸し出しを禁止し家に持ち帰り明日になったら父に聞いてみようと思い、自分の部屋の押入れにいれておいたのです。
その夜のことでした。

私が寝ていたとき、ふと目が覚めたのです。
そのときはもう夜中だったし、再び寝ようと思ったそのとき。
押入れがゆっくり開きはじめたのです。

びっくりした私は動くこともできずに押入れをみていました。
するとあの映像に映っていた男の子の顔が真正面を向きこっちを見てこっちにおいでと言ったのです。
それからどうやって眠りについたのかはまったく覚えていません。
朝になればあれは夢だったのかなと思うほどでした。

それから何年も経ち一人暮らしをしている今でも不思議なのは実家に帰って私の部屋の押入れを見ると今でもあの男の子の顔のようなしみが中に残っているのです。