This Man
ニューヨークの精神科に、ある1人の女性が訪れた。
その女性は現実に逢ったことのない男が、しばしば夢に現れると言いモンタージュを描いた。
そして数日後、今度は男性の患者が病院を訪れ、先の女性と似た話をした。
男性が描いたモンタージュが、女性のモンタージュと似ていたというのだ。

この現象に興味を感じた精神科医は、モンタージュを同僚の医師たちに送ったところ、4人の患者が同様のモンタージュの男を描いたという。
そのモンタージュの男は『This Man』と名付けられた。

医師らは現実的に『This Man』を探すために、インターネットのウェブサイトを開設した。
そうしたところ、06年1月から現在までに世界各地から2000人の目撃証言が寄せられている。
目撃証言はアメリカ、ドイツ、中国、ローマ、ロシア、フランス、インドなど世界各地から届いている。

『This Man』のサイトはこちら(https://www.thisman.org)

目撃した人たちは、『This Man』が夢の中に現れた時のことをこう証言している。

「『This Man』が夢の中で私のそばに座っていた」

「窓の外から、『This Man』が私をずっと凝視していた夢を見たことがある」

「私が夢で最初に彼に会った時、彼と恋に落ちていた」

などだ。
夢の中だけに、『This Man』の役回りは様々だが、一応にして不気味なものであるらしい。

捜索活動はインターネットだけでなくアメリカ、イギリス、ブラジル、イタリア、スペイン、ニュージーランドなどで、ポスターが貼り出されている。
サイト運営者は、「『This Man』に遭遇して怖い思いをしている人を孤立させない、世界中の人が同じ人物に夢の中で出逢う謎を解明する」この2つの目的のために、活動を続けていると伝えている。