心霊とは関係ないが俺が体験した話。
俺の実家のすぐ隣には友達の家があって、よく子供の頃、遊んだりしてたんだ。
ある日曜日、急にそいつから電話があって、「お前のお母さんに替わってくれる?」っていきなり言われたんだ。

意味が理解できなかったが、母親と替わると、少し話した後足早に母親がそいつの家にチャイムも押さずに入っていった。
俺も気になったからついて行ったんだが、そこには割れたガラスのテーブルと右足が血まみれの友達の姿があった。

状況を把握すると、どうやら両親の留守中にふざけてガラステーブルを踏み抜いてしまったらしい。
外科医院に連れていかれたんだが、しばらくして母から電話があり、内容は「◯◯くんは足の肉が削げ落ちてて急いで縫い合わせないといけない。そこらへんに落ちてる筈だから自分が戻るまでに探しておくように」とのことだった。

こんなことを平然といってのける母に驚いたが、見つからないことを祈りつつ事件現場へと足を踏み入れた。

恐る恐る見渡したが、それらしき物は見つからず、僕は安堵した。
部屋の中には割れたガラス片と壊れたテーブル、血まみれの床と丸まったガムテープだけだった。
しかしその瞬間すぐに疑問が沸き上がってきた。

「丸まった・・・ガムテープ・・・?」

当初それは無造作に捨てたガムテープが室内の毛やホコリを吸着して役目を終えた物にしか見えなかった。

しかし注意深くそれを観察すると確かに表面はガムテープと同じ色合いではあったものの、裏側はまるで収縮するアワビに小さなとうもろこしを埋めこんで赤く塗ったような感じだった。

それが何であったかはあえて言いません・・・。