あんま詳しく書くと特定されそうだから若干のフィクションまざってるが勘弁してくれ。
その昔、とある病院に検査技師として勤務してたんだが、そこは地元ではちょっと有名な病院でね。

良評じゃなくて悪評で有名だったんだが、地元住民と揉めてるってんでマスコミから取材を受けたこともあるくらい・・・。

医師がヤブだとかじゃなく、経営者がワンマンで我が道を行く性格だったらしい。

ある時、病院を建て増しするってんで周辺住民の反対押し切って建てたんだが、その土地には地鎮を目的とした神様が祀ってあって、それが反対理由だった。
そんなの無視と言わんばかりに勝手に祠を移動して建てたそれからが不幸の始まりだったんだ。

まず、その年に感染性の嘔吐下痢症が流行り、患者さん職員含めてダウン。
それが原因で死亡した患者さん数名。

職員の身内に事故や急死などの不幸が続き、恐くなってお祓いに行った職員が有り得ない医療ミスを犯しクビなどなど・・・。
偶然にしては色んな不幸が固まってきたんだ。

最後の最後にはまだまだ前途有望な20代の職員が交通事故で死亡。
身内の命を持って行ったことで、祟り的な不幸は一時おさまった。

俺はその時点で退職したんだが、その後も職員の旦那が仕事で大火傷を負ったり、職員の子供が事故で失明したりと、まだまだ「祟り」は続いてるらしい。

俺が辞めた後、友人から紹介された、霊媒師みたいなことしてるお婆ちゃんに話を聞いてみた。
俺含む辞めた数人は大丈夫みたいだが、あそこはもうダメだと言ってた。

その土地は大昔、近くの川がよく氾濫を起こしてたそうだ。
水神だか竜神だかには生け贄が一番らしく、人身御供的なことやってたらしい。
んで、犠牲になった人柱の供養塔が祠の近くにあったらしいんだが、それをぶっ壊して元の病院が建ってるらしい。

祀も勝手に移動されたもんだから、色んな「念」が祟ってるんだと。

「ちゃんと意味があってそこにあるんだ」って、婆ちゃん言ってたよ。