学生の頃の思い出。

僕が行ってた大学はわりと全国から入学者が集まる学校で新入生の9割くらいは寮に入っていた。
寮の部屋は広さは6畳弱ぐらい、間口よりも奥行きが長い長方形の部屋で、金属製のベッドと机が各部屋に備えられていた。
水道と小さなシンクはあるがトイレ、キッチン、ランドリーは共同で各階に、風呂は共同棟に銭湯のようなものがあった。

男子棟、女子棟と別れてはいたが寮監みたいなのは無く出入りは全くの自由だった。
ベッドと机は移動できたので各自他に必要な家具や小さい冷蔵庫などを持ち込んで自由に配置して自分の部屋を作っていた。
そんな寮で暮らしていた1年生の時の話。

寮と言っても前述のとおり出入りは自由だったので僕らはよく男女問わず誰かの部屋に集まってゲームしたり朝まで飲んだり話し込んだりしていた。

その夜は同級生の女の子の部屋で数人で集まって飲んでいた。
その子の部屋はベッドと机を部屋の奥の窓のほうに配置し、玄関ドアを開けてすぐの所に割と大きなスペースをとってコタツを置いていた。
このコタツのおかげでみんながよく集まる部屋になっていた。

12時に近くなった頃、何人かは自分の部屋に帰り、その部屋には部屋主の子ともう一人の女の子、そして僕の3人になった。

みんないい加減酔って眠くなっており、部屋主の子がベッドに入ってしまうと僕ともう一人もコタツに入ったままなんとなく横になりそのままうとうとと寝てしまった。

朝方になり、ふと目が覚めるとまだ2人は寝ている。
僕は少し朦朧としながらも急に下心が湧き出した。
コタツの向こう側に寝ている女の子の下半身を見てみたくなり、コタツ布団をそろっと持ち上げ、音がしないように体をねじりながら中を覗き込んだ。

一瞬の事だった。

ありえない物を見て僕は持ち上げた布団を床に叩きつけるように閉じた。
尻と足が見えるはずのコタツの中に彼女がうつ伏せになって腕を顎の下で組んだ状態で頭を上げてこちらを見ていたのだ。

一瞬で目が覚めた。

コタツの外では当然彼女が寝息を立てている。
ちゃんと頭も見える・・・。

見間違いかと思ったがもう一度コタツの中を確かめる勇気はなかった。
それから部屋主の女の子が起きるまでの小一時間、身動きも出来ずに目だけが冴えながらまんじりともせず過ごした。

当然コタツの中を覗いた事など本人に言えるわけもなかったが、その後は一切その子に変わった事はなかった。
その部屋で変な事があったのもその一度きりだけだった。
でも僕はそれからコタツの中を覗けなくなった。

心霊現象に詳しい知人に相談したところ、恐らく女の子が無意識に下半身を見られるのを警戒して生霊となって監視していたのかもしれない・・・とのことだった・・・。