去年12月始め、散歩に出かけ夜9時頃に帰って来た時の事です。

マンション入口から、60代くらいの異様な男女(夫婦?)が出てきました。
嵐に遭った様に服が捻じれ、顔や腕は薄汚れ髪はグチャグチャ。
顔は真っ白でしかめっ面なのにキャーキャーと興奮していていて、そのチグハグな様子を凝視する私は、彼らの視界に入っていないようでした。

何事もなく二人を通り過ぎ、目の前にあるエレベーターを見ると電気が通っておらずボタンも階数も光りません。
財布には3円しかなく、携帯もありませんでした。
幸いにもエレベーター前は暖房で暖かく私は他の住人が連絡してくれるのをボタンを押しながら待つことにしました。

結局15分ほど経ってしまい、ふと「エレベーターで異世界へ行く方法」を思い出し怖くなったので
状況をなるべく客観的に考え始めました。

オートロック式・建って2年も経たない単身者向けマンションからちょっと変な夫婦が出てきて、それからエレベーターが動かず、100人以上住人が居るが運悪く誰も帰ってこないだけだと。

大通りに面するエントランスがやけに静かで、空気が重くなっているのを感じました。
ただの故障なのか、エレベーターが二人に壊されたのか、オカルトな目に遭っているか分かりませんが、その時は怖くてその場から移動できなかったです。

あの二人への怒りを込めながらボタンを連打すると、いつもの2倍くらいのスピードでドアがガチャガチャと開きました。

中は真っ暗でした。
冷たい空気が、奥からピューッと吹きこんできます。
入ったらネタになると思ったのですが、ボックスが在るかどうか分からない上に手足を入れて怪我したり、エレベーターが更に壊れたら問題になるので離れて見つめていると、2分ほど経ってから自然に閉まり、重苦しい空気も消えもう大丈夫になったんだと肌で感じました。

と同時に電源が入り、何事もなかったように見た目が正常になったのでボックスに入り無事家に帰ることができました。
オカルトでも何でもない、ただの故障だったと思いこんで寝ました。(非常階段は鍵に付いたカバーを壊さないと使えないらしく地震でもないのでやめました。)

翌日深夜に帰宅した時から本当のおかしな出来事が始まりました。

エレベーターの扉が開くと、目の前の部屋のドアがボコボコにされていたのです。
マンションは廊下の左右にドアがある構造で最初見た扉の隣も、向かいも、その隣も、空き部屋以外の約10部屋が全てまんべんなくボコボコにされていました。

足を震わせながら奥に向かうと、意外なことに私の部屋だけは無事でした。
ここだけ無事なはずがない、と周りを調べてみると、やはりそんなはずがなくインターフォンの死角に張り紙を発見し、考える前にペリッと剥がしてしまいました。(これが良かったかどうかは分かりません)

そのお札?は白地の人差し指大で、赤色で犬?の絵と崩した漢字?がかかれており、裏には糊(のり)の跡が付いていました。

他の部屋の状態は怖かったですが、お札には特に何も感じなかったので、なんとなく自分の感覚を信じて、名刺ケースに入れておくことにしました。

マンションの管理部に相談したかったのですが、以前騒音で相談に行った際ヒドイ目に遭ったし、もうすぐ引っ越すからどうでも良いしと、理由付けして言わない事に決めました。

翌朝部屋を出てみると、昨日ボコボコだったドアが全て綺麗になっていたので、ますます言い辛くなっていたのもあります。(翌朝までに全室直すのは不可能ではないと思いますが、物音は聞こえませんでした)

それからもおかしなことが続きました。
お札を保管した日から、私はあらゆる受付や会話の中で名前や出身地、住所を間違われ結局お札を捨てるまで、様々な名前で呼ばれました。

お札を捨てると呼び間違いはなくなったのですが、部屋が急に酒?臭くなったり、ガラスの向こうにふわふわ光る物が漂っていたりするのでお札を捨てたのを少し後悔しています。

また下へ降りる時だけ『閉』ボタンが反応しなくなり、自然に閉まるまでの間、誰かが入るミシッという音がしてからようやく閉まるという気味の悪い現象が続くようになりました。
ミシッ音は日が経つにつれて2人から1人へ、そして最近ようやく消えました。

それで安心しきっていました。
先日、買い物先でエレベーターに乗ったのですが、今度は中に閉じ込められかけました。(ここまでくると笑ってしまいますね)
乗り込んでドア閉まる→階数ボタンが反応しない→空気重い→ボックスの明かりが消える。
手当たりしだいにボタンを連打すると扉が開いたので、走って逃げました。
思い出すと心臓がバクバクします。

今度はお守りを持っていたのですが、効果があったから出られたのか、効果がなかったから閉じ込められたのか・・・。

ちなみにマンションは10階建、異世界を試したことはありません。
上手く説明できたかどうか分かりませんが、読んで下さった方、ありがとう。