日常に潜む怖い話を2つ程・・・。

【自分に引火しても】
その日はいつもより強火で料理していた。
調味料を取りに少しキッチンを離れ戻ってくると、ガス台の上で猫が燃えていた。
唖然とする私を見て、猫はキョトンとしている。

しかしその間にも炎は腿(もも)のあたりから背中に向けて燃え広がる。
次の瞬間私は手近にあったタオルを猫に被せるように押し当てた。
火は消えたが、猫はびっくりして逃げていった。

落ちついてから猫を見ると、燃えていた部分の毛がチリチリになっていた。
が、火傷は全く無かったようなので、その時は笑って済ませた。

その後こんな話を聞いた。
猫のためにと暖房器具をつけたまま外出した人の家が出火して全焼した。
猫は出火元と思われる場所で焼死体で見つかったという。

いくら冬場で締め切っていたとしても、出火場所から逃げないで死ぬというんは不自然ではないだろうか?

飼い猫は火を恐れず、自分に引火してもしばらく気づかないらしい。
うちは猫が沢山いるので、石油ストーブ等が怖くなった。



【プラスチック成型機】
大阪の某社で勤めていたんですが、限界を超えた人が凄まじい行動をするのを目撃したことがあります。
私はそれがトラウマで転職しました。

プラスチック成形機の金型ってご存知ですか?
あれの間に、先輩が入っていったんです。

製品がはりついたのかな?と思って、どうしたんですか?と声をかけた時、気づいたんです。
先輩が安全柵を自分で締めていたことに。

「ズー、ズシュー、メキメキメキメキパキブシュー」

咄嗟に皆が手元にあった非常停止ボタンを手当たり次第押しました。
私はぴったりと閉じてしまった金型をみて、たぶんもう生きてはいない事を知っていました。

しかし開けない訳にはいかず、そのジレンマに主任に泣きついていました。

主任は工場長を呼び、そして現場にいた人達を全員工場から退去させて機械を操作しました。
工場長の嗚咽とも悲鳴ともとれる声がしました。

救急と警察の方が来ましたが、警官の方は開け放たれた機械を見るなり口を押さえていました。
その時ドアからちょっとだけ見てしまいました。
まだ人間の名残をわずかに残した塊を。

今でもまだ夢に見ます。