怖い話初投稿でカキコ慣れてない&長くなってしまいましたが、お付き合いしていただけたら嬉しいです。

ホラー好きの友人と3人で遊んでいるときに、心霊スポットに行こうという話になった。
ネットを使って調べていると、行けば絶対に幽霊が出ると噂のトンネルを見つけた。

中で複数人の叫び声のようなものを聞いたとか、ボロボロの和服を着た男女複数が見えたとか、体験した人の内容は様々だったけど、とにかく必ず何か起きているのは間違いないみたいだった。

場所と道を確認するためネットで地図を調べていたら、トンネルとは別に気になるものを見つけたんだ。
そのままの地図ではなく、意味なく航空写真にしたりもしてたんだけど、そのトンネルから少し離れたところに、小さな神社のような建物が写ってたのね。

それは木々に囲まれたところにポツンとあって、地図にすると記号表記や名前は書かれてないけど、写真の状態では確実にそこにあるのね。

近くに道は通ってるんだけど、そこまで繋がっている道は地図上にないし、写真でも確認できない。
もう少し山の上のほうにある神社は記載されてるし道も繋がってるんだけどね。

小さい建物のようだから、表記されないものなのかもしれないし、実際にそういうものかもとも思ったんだけど、なぜか妙に気になった。
それで友人と話をして、そこにも行ってみようということになった。

夜になって友人Aの車でまずトンネルを目指した。
それなりに山の中にあったから、険しい道を予想していたんだけど、車二台は十分すれ違えるくらいには広い道が続いていた。

登るにつれて人家はなくなっていったけど、道は細くなることもなく、順調に進んでいった。
しばらく走っていると、目的のトンネルの前に着いた。
写真で見たのと同じで、実際に見てもごく普通のトンネルで、何て言ったらいいのか、古くて狭かったり小さかったりすることもなく、現代っぽい普通くらいのサイズ?のトンネルだった。

車を降りて入り口の写真を撮り、中に入った。
そこそこ長いトンネルなんで、真ん中くらいまでしか入ってないけど、中を撮影してるとき何回かシャッターが切れなかったことと、少しだけ霊感のあるBが人の形っぽい何かを一瞬見たくらいで、心霊写真も撮れず、たいした収穫もなく車に戻った。

出口付近まで車を走らせたところで突然ブレーキを踏んだので、何だとAに聞いたら、和服を着ている男が数人立っていたと言った。
助手席に座っていた俺は見えなかったし、改めて見てみてもそんな男はいない。
車を降りて周囲を確認したり、写真を撮ったりしてみたけども、特別何も起こらなかった。

トンネルを抜けてからしばらくすると、上のほうにある神社へ繋がっている道に出た。
目指す建物はその道を途中でそれて、地図上で道がないところを抜ければ行けそうだった。
神社へ繋がる道は狭くて車を駐車できそうな場所がなさそうだったので、その道に入る前のところに車を停めた。

地図に載っている道からどの程度の距離にあるのかを事前に細かく確認し、おおよその場所を記入しておいたものを持ち、携帯のGPSを見ながら建物に向かって行けそうな道を探した。
歩いていると周辺にくらべて少しだけ視界が開けた場所を見つけた。

木の生え方が他の場所ほど密集しておらず、地面が平らか緩やかな傾斜になっていた。
そこを抜けていけば建物のほうへと向かえそうだったので、改めて方角などを確認して、その場所へ足を運んだ。

建物があると思われるほうへ進んでいると、途中からまた木が密集していて傾斜がきつくなり始めた。
傾斜の始まりと思われるところに沿って登りやすそうな場所を探してみると、少しはマシな感じの獣道のようなところがあったので、そこから登っていった。

夜の山道で雰囲気はあるんだけど、霊っぽい現象にまったく出会えず、「野生の獣とかが飛び出してきたらそのほうが怖いなw」などと話しながらさらに山を登っていった。

そろそろかなと思いGPSで確認してみると、おおよそ場所は合っているようだった。
懐中電灯で照らして周辺を歩いて探してみたけど、建物らしきものは見つからない。
GPSや地図を見ながら何度も確認したけど、場所は間違ってなさそうだった。

まあ、正確な位置がわかるわけでもないから見落としとかあったかもしれないけど。
結構なところまで行かないと見つけられなそうだったため、夜だと危ないという結論が出て、日が出てるときにもう一回探しに来てみようということになった。

それで帰ろうということになったんだけど、Aが何か声が聞こえたと言い出した。
俺もBも何も聞こえなかったんだけど、Aはまだ聞こえると言って、誘われるようにどんどん獣道を登っていった。

俺とBは急いで追いかけたんだけど、Aはかなりの速度で登っていて、すぐに見失ってしまった。
そのまま続いている獣道を登って行ったんだけど、すぐに道のようなものはなくなっていた。
どうしようかと思っていると、Aの叫び声が聞こえた。

どこから聞こえてるのか分からずあたりを見回していると、山の下、つまりついさっき登ってきたところから、血相を変えたAが現れた。
Aを見失ってから数秒しか立たず、道もすぐに行き止まりになっていた。

Aが途中で獣道から逸れて後ろに回ったのかもしれないが、何か変だった。
事情を聞こうかと思ったけど、「Aはここはヤバい、とにかく離れたい」の一点張りでまったく話にならなかった。

仕方ないので戻ろうと、Bと獣道を戻ろうとしたんだけど、Aがそっちは祠があるから嫌だと言って動かない。
Aを追って獣道を登って行ったときに、祠なんて見なかったから、そんなものなかった。
「何があった?」と聞いたんだけど、Aは無言で、とにかく祠は避けて戻りたいとだけ言った。

そうは言っても暗い中森を歩くわけにもいかないし、安全に歩けそうなところは獣道しかなかったので、Bと二人でなんとかAを説得し、獣道を降りて行った。
一応周りを警戒しながら建物があるか確認しながら降りたんだけど、やっぱり、まったくそのようなものは見当たらなかった。

車に戻ると大急ぎでエンジンをかけて帰路に着いた。
トンネルを抜けるとき、複数の人間のうめき声が聞こえ、バックミラーに人の顔が映ったのが見えたのだが、顔色を真っ青にして無言で運転しているAを見たら話す気がなくなってしまった。

地元に着くいてAの様子が落ち着いてきたようだったので、山で何があったのか聞いてみると、ポツリポツリと話始めた。

何かの声が聞こえたとき、なぜだか呼ばれているような気がして、そう感じてすぐ、無意識に声に向かって走っていたらしい。
気づいたら、航空写真で見た小さな神社の前に立っていて、そのすぐ近くに祠が建っていたそうだ。

木に隠れてしまっているだけかもしれないが、祠は航空写真にも写ってなかった。
声はまだ響いていて、よく聞くと赤ん坊の泣く声と、それに混じって女性の声が聞こえたらしい。
なんとなく祠に目を向けると、這い上がろうとしているように見える手が地面から何本も伸びているのが見えたらしい。

祠の脇に足が見えたので、そっちに目を向けると、そこには派手ながらもボロボロで汚れた着物を羽織った女性が立っていて、かろうじて人の形をしている腐った赤ん坊をかかえていたらしい。

赤ん坊をかかえている手はガリガリの傷だらけで、髪はボサボサ、顔もこけていて傷が多く、目は虚ろながらもAのほうを見ているように感じたらしい。

頭の中で響いていた泣き声に混じった女性の声の一部がはっきりと聞こえてきて、「ウラム・ノロウ」といったことを繰り返し連呼していたらしい。
それで、ここにいたらヤバいという感情と、恐怖心から悲鳴を上げて走って逃げたそうだ。

それを聞いて興味が湧いた俺は、Aを追ったときも、車に戻るときも建物がありそうな場所は見当たらなかったけど、祠はいったいどこにあったのか聞いてみた。

するとAは、神社に行くときは無意識だったけど、ほぼ獣道に沿っていた気がする。
神社から逃げるときも無我夢中だったからはっきりとした記憶じゃないけど、ただひたすら獣道をまっすぐ登っていったはずだと応えた。

Bが自分も見てみたかったとつぶやいたら、Aは「あれはヤバ過ぎるから絶対に見ないほうがいい!」と叫んだ。

Aの家に着いて車を降りたら、Aの車に無数の手跡がついていた。
みんな無言になって、その日はそのまま解散になった。

それからずっと祠のことが気になってたんだけど、色々と忙しくて時間が取れなかった。
四日後に時間ができたので、前日にBとダメもとでAにも連絡を入れてみた。

Bはどうしても抜けられない予定があって、Aは「絶対にやめろ、取り返しがつかない」、と最初は怒鳴られたが、だんだん静かになって、「自分は絶対に行かない。お前もやめておけ」とつぶやいた後、何かをボソっと言って電話は切れた。
補足しておくと、車の手跡は洗車したら簡単に落ちたそうだ。

翌日、どんなに言われてもどうしても気になったので自分で車を出して一人で山に行くことにした。

暗いと危ないし道も分かりにくいので、日が出てる時間に。
念を入れてもう一度ネットで建物の場所を確認してみると、周辺に結構な数の神社があることに気づいた。

前に行ったときと同じように、トンネルを抜けて車を停め、山の上の神社へ続く道を歩いていった。
傾斜がゆるいところから獣道に入り、頻繁にGPSで場所を確認しながら祠を探した。

行ったりきたりしながら何度も場所を確認したんだけど、やっぱり獣道の途中、といってもほぼ突き当たりに近いところなんだけど、突き当たりより少し下ったところにあるみたいだった。
獣道から外れたところも探してみたんだけど見つからない。

あるはずの場所から外れたところも探してみたけど見つからない。
念のため獣道の突き当たりを突っ切って、山を登りながら探してみたけどやっぱり建物らしいものは見つからない。
少し登ったら、山の上にある神社に着いてしまい、ここは確実に登りすぎ。
もう一度山を降りていって見つからなかったら諦めて帰ることにした。

神社側から下り、獣道まで戻ってきたくらいで、俺の携帯が鳴った。
少し驚いたけど気分を落ち着かせて表示を見ると、Bからの電話だった。
話を聞いてさらに驚いた。
Aが死んだという内容だった・・・。

自宅のアパートの自室で倒れているAを同じアパートの住人が発見し119番通報したのだが、すでに息がなかったらしい。
原因ははっきりとしてはいないが、状況から心臓発作だろうと言われている。
ただ、不思議な点がひとつあって、死ぬ直前に書いていたと思われるA直筆の手紙のようなものが落ちていたらしい。

Bのところに警察が来たときに見せてもらったそうで、確かに文字と言われるとそう見えなくもない特徴のある形が書連ねられていたみたいだが、まったく読めなかったらしい。

唯一「怨」「呪イ」と書かれているように見えた部分があったそうだ。
とにかく警察の聴取もあるだろうし、さっさと下山することにした。

Aの死と例の祠との関係が気になり、Bと一緒に山の上の神社へ向かった。
警察の聴取のときに俺も手紙を見たが、「怨」「呪イ」と読めそうなところ以外は、全部何が書いてあるのかわからなかった。

祠のことについては、説明しても信用してもらえそもなかったので黙っておいた。

それからBと相談して、お祓いをしてもらおうと、あの神社へ向かった。
事務所らしいところから神主さんを呼んだ。
奥から返事が聞こえ、神主さんが姿を現し、「何か御用ですか」と言った。

Bが話があることを切り出したのとほぼ同時くらいに神主さんの表情が厳しくなり、強い口調で中に入るよう促した。
居間に案内され、俺達が腰を降ろしたのを見て神主さんも腰を降ろして口を開いた。

神主:「だいたいの予想はつきますが・・・、いったい何のお話でしょう?」

B:「・・・実は、こちらの神社の近くにある祠についてお聞きしたいことがありまして・・・」

神主:「やはりそうですか。それで・・・見てしまったのですね?」

俺:「・・・はい」

B:「私達の友人が、その祠を見て4日後亡くなりました」

神主:「・・・」

神主:「・・・わかりました」

神主:「本来は無闇に話してはいけないことなのですが、無関係ではないようですし・・・お応えできる範囲でお話しましょう」

B&俺:「ありがとうございます」

俺:「では直球に聞きますが、あの祠がある場所は何があったんですか?」

そう聞くと神主さんは少しずつ話始めた。

獣道の途中の傾斜が他と違っている場所は集落の跡らしく、祠が建っている場所は、外から土地を買い付けてやってきた地主の家があった場所だそうだ。
この地主の男がなぜ辺鄙な集落にやってきたのかはわからないらしいが、とにかく悪い男だった。

当時、その集落に入るための道は一本しか通ってなかったらしく、男は自分がお金で雇った信頼の置ける人物を門番としてその入り口に配置。
集落の人間が外に出るのを防いでいたらしい。
それから、お金と権力を振りかざして、若い女性を囲ったり、厳しい強制労働をさせたりしていたらしい。

どういった形かはわからないが、外から人を招いて集落に住まわせることもしていたらしい。
ヤバいのが、その男が気に入らなかったり機嫌が悪かったりすると、相手を殺して、深く掘った穴に捨てていたそうだ。

二年近く経ったある日、外から招いた人物が先だって、男の殺害計画が企てられ、実行された。
お金や権力があったところで、数に勝るものはなく、今まで何に怯えていたのかわからないくらいあっさりと計画は成功した。

男に捕われていた人々を助けに館内を見回っていると、男が現れて間もない頃に捕われた女性が、赤ん坊をかかえている状態で見つかった。
そこを目撃した集落の人は、赤ん坊の意味を理解し、泣き喚いて暴れる女性を振り切って赤ん坊を取り上げ、男が死体処理をしていた穴に生きたまま捨てた。

錯乱状態の女性に無理矢理言い聞かせ、強引に引っ張って館から離れた。
その夜、軟禁していたつもりの小屋から女性の姿が消えた。
館のほうへ行ったと考え向かってみると、放心状態でフラフラと歩いている女性を発見。

声をかけても反応がなく、止めようと走り寄ったら、女性は穴に落ちていったらしい。
それから四日後、集落は謎の大火災に見舞われ消滅した。

その後、集落跡で大量の霊を見たり、その女性と思われる霊を見たりと、色々と問題が多かったらしい。

特に女性の霊を見たと言っていた人は必ず死んでしまったそうだ。
そのままではまずいと、穴の上に祠を、それを管理する神社を建てたのだが、霊の力が強すぎたのか、それでも女性の霊を見る者が絶えず現れ、そのたびに死んでいったらしい。
その神社の神主も・・・。

そこで、祠周辺を中心とし、集落を含めて全体を囲う形で神社を複数建て、祠に辿り着けなくなるような封印を施したそうだ。
だから普通は絶対に祠に辿り着くことは有り得ないらしいのだが、極稀に、どういう訳か祠に辿り着いてしまう人がいるということだった。

また補足ですが、トンネルの霊については、見張りがいない集落から逃げられる道が出来たことにより、地主から逃げようとする霊や、火事から逃げようとする霊が現れているということらしい。

俺:「・・・見てしまった人は死ぬしかないんですか?」

神主:「祠だけしか見てないのなら、助かることもあるみたいですが、女性の霊を見てしまったらどうしようもないです。残念ですが・・・」

悲しそうな顔をして神主が俺を見た。
実はAが死んだ日、Bの連絡を受け獣道を帰るとき、俺も見てしまっていた。
祠と女性の霊を。
神主はきっとそれら全てをわかっていたのだろう。