この間見た夢の話。

俺は今、司法書士の勉強してるんだけど、夢の中でも勉強してたんだ。
どっか知らない町、昔は栄えてたんだろうなって風の町の、その中にある古~い吹き抜け構成のマンションの中庭で勉強してた。

昼間には庭にも暖かい日溜りができてたり、外へ出ると山々の風景が最高に綺麗で、いいとこだなぁと思いながらのんびり勉強してた。

でもカラスが鳴く時間帯、急にあたりの雰囲気が恐ろしくなった。
まずその古いマンションが途端に薄気味悪く見え始めた。
もう幽霊物件にしか見えない。

ドアは至る所が赤黒く錆びて、部屋はクモの巣だらけ。
確実に部屋に何かいるって感じ、扉開けたり見たりしたら「それ」が出てきて確実にやばいのが分かった。

近くを女の人が通ったので、情けないけど中庭まで勉強道具を取りに一緒についてきてもらうことにした。

「ここで自殺ありませんでしたよね」とか、「まだここ誰か住んでるんですか」とか聞いたけど答えはすべてNOだった。

隣の新しいマンションまで渡り廊下で繋がってたから、もうダッシュでその廊下を渡ろうと思ったけど、やっぱりねって感じだった。
後ろから何か来てる、追いかけてきてる。
俺もうパニックになって走ったね、
渡り廊下からドアに辿り着いてドアを閉めてロックして、来た道を見た。
しかし、誰もいない。

まだ警戒してる俺は更に廊下を渡りきった先のドアまで行って様子を見てた。
一緒に来てた女の人は「なんだこのキチガイ坊やは?」って風な目で俺を見てて、たぶん逆方向に用事があったんだろう、俺が閉めたドアのロックを開けて古いマンション方面にいっちまった。

俺の見間違いだったんだろうと思って、女の人に謝ろうと渡り廊下を来た道と逆方向に進みだした瞬間、「それ」がいた!

服装からして女子中学生だろうか、女の子と分かるが顔色がやばい、真っ白。
顔の形も微妙におかしい、口とか目とかの位置もおかしい。

お前ら心霊写真で暗闇や何も無い空間に浮かび上がる顔とか見たことある?
人の顔とわかるんだけど、どっか歪んでて不気味なやつ、まさにその顔。
こいつが追いかけてきてたんだと直感でわかった。

どうやって俺は殺されちまうんだろうと思ったが、そいつは俺の手を乱暴に掴んで「行こう!」とだけ言った。

「冗談じゃない!どこ連れてく気だよ」とか、なんて言ったかは忘れたが、俺は罵詈雑言を浴びせて手を振り払った。

何を仕返すでもなくそいつは新しいマンションの方に消えちまった。

意外にもあっさり逃げられた!

そう思ってまた古いマンションの方を見たら3人くらい似たような顔したのがいやがった。
太ったおっさんもいたし、おばさんもいたし今度は女子高生もいた。
そいつらは俺を睨んで通り過ぎたが、女子高生だけは俺をさっきのガキみたく掴みやがった。

「もう作ってくんな!もう作ってくんな!」

おもちゃ噛み咥えた小型犬みたいに俺の腕を振り回しまくる。
言ってることが真剣に意味不明だし、ほんで終にはマジで噛み付きやがった
夢にしちゃもの凄くリアルな痛みがあった。

もうやばいどっか行こう!と思ったけど、気づいたら、その似たような奴らで渡り廊下はぎゅうぎゅう詰め状態。
しかもそいつら、俺に何か恨み言を吐いてはまた一人また一人と噛み付いてくる。
尋常でない痛みを感じながら俺死ぬんだと思った。

俺の死体どんな風になって残るんだとか、こいつらお化けにしちゃ質感ありすぎとか、ほんでこいつら全員、あのマンションの住人?とも冷静に考えてた。
こいつらは良い思い出がないまま死んだから、こんな風になって出てきちまった?とかね。

たぶん吐いてた恨み言や「もう作ってくんな」とかは、こいつらが死ぬ間際とか死ぬ直前に思ったことなんだろう。
指が気持ちの悪い顔した男に噛み切られる瞬間に目が覚めた。

ぶっちゃけ人生で一番怖い夢だった。
文章にしてみるとそれ程でもないが、古いマンションの恐ろしさと白い顔の奴らの気味悪さだけはたぶん一生忘れないと思うわ。

怖い夢って誰かに伝えとかないと正夢になるって聞いたから、今必死こいて書いたわ。