私は病院勤務ですが、職場には3年ほど前まで「Eフロア」というところがありました。

そこにはキッチンがあり、昼食と夕食を自分たちでも作れるようになっていて、当時、S田K子さんという方が料理が得意ということで皆にそこで作った料理を振る舞っていました。

しかし、ある時、私は彼女がトイレで「オェェボトボトボトボトボト!!!」と、吐いてるのをトイレの外から聴いてしまいました。
その時私は医院用のカーテンと通常のカーテンに隔てられたトイレ近くの検査室勤務に居て、S田さんはこの場所がトイレから死角になっているのを知らなかったのだと思います。

以前から彼女はダイエットに夢中で短期間で急激に痩せたこともあります。
まさか!?とは思いましたが、「オェェボトボトボトボトボト!!!」という音を聴いて私は半分確信してしまいました。

しばらくするとS田さんが、トイレから大鍋を持って出て来ました・・・。
彼女は私に気が付いていない様子で、Eフロアの方へ姿を消しました。

昼の時間帯、私は怖気を押えながらEフロアの様子を見に行くと、案の定、Eフロアには例の鍋が味噌汁の鍋や麦茶のボトルと並んで鎮座していました。

メニューは親子丼で、卵の酸っぱいような臭いが私の鼻につきました。
私は踵を返して検査室へ逃げ帰り食欲が失せて、家から持参した弁当にも手をつけられませんでした。

昼休み私が外のベンチで外の空気に当たっていると、同僚のN西T志が隣のベンチに来て弁当を食べだしまし、私に「ひょっとして気付いたの?」と、聞いてきました。
彼も『再利用食材』に気付いていたのです。

S田さんはその後3年程勤務していましたが、ほとんどの人達は何も知らずにS田さんの作ったものを食べ続けていました。