奇妙な体験をしたんで書いてみるけど、ほとんど怖くないからここに投稿するわ。

俺はずっとやめてたバイクを買ってまた乗り出した。
いわゆるリターンライダーってやつだ。
これで通勤はできないが乗りたくてしかたないんで、毎日仕事が終わってから1~2時間ばかり近くの峠で慣らしをしてたんだよ。

そこは別に有名な走り屋のスポットとかじゃなくて、何でもないただの国道。
しかも俺は仕事終わって飯食ってから走るんで、だいたい9~11時頃になる。
その時間帯になると田舎だから通勤の車もほとんどなくなり、1時間で10数台くらいしか対向車がいないんで、けっこう思い切って走ることができる。

んで1ヶ月くらい前のことだけど、走っていたら大きなカーブの先に赤い光が見える。
「あ、ヤベ警察か!」と思ったけど、光はそんなに強くないし点滅もしていない。
ぼんやりとにじむような感じなんだ。

そのとき思い出したんだが、そこは数年前に事故があった場所で、確かセンターラインを越えて突っ込んできたトラックに車が接触して飛ばされ、崖下に落ちて死者が出てるはずだった。
原因はトラックの居眠りだったか酒酔いだったか・・・。

何で覚えてるかというと、その頃は車でたまに通ったりしてたが、事故後一ヶ月くらいの間、新しくなったガードレールのそばに花束が供えられていたのを見たからだ。
それを思い出してちょっと怖くなった。
赤く光っているのはちょうどその辺りだし。
ただ赤い光といっても何かが燃えているような感じではなく、提灯とか灯ろうのようにぼやっとしている。

だんだん近づいてきたが、カーブを曲がり終えると赤い色は見えなくなった。
んでガードレールの前には、数年前と同じところに花ともう一つ何かが置いてあって、やっぱり光のことが気になっていたんで、バイクを近づけて停めてみた。

よく見ると大きな花束なんだけど菊とかお盆に供えるような種類で、白い包み紙に字が見える。
携帯の光をあてて読んでみると、『娘の三周忌に』と筆ペンかなんかで書いてた。
それを見て「ああそうか気の毒に・・・」と納得した。

花束といっしょに置いてあったの物は、ビニール袋で何重にも包まれててよくわからないんだけど、
15㎝四方くらいの四角い白い箱のようなものだ。
娘さんへの供え物か何かかなと思って見ていたら、白の上に白が重なっててはっきりしないが、箱とビニールの間に何かが詰まってる。
拾い上げて見ようかとも思ったけど、お供え物に触るのが気味悪くてかがんで顔を近づけて見たら・・・何かの短い骨のようなものだった。

これが箱の両脇にたくさん詰まって押しつけられている。

「うわー何だこれ」と思って、すこし後ずさりしたときに、ヘルメットをかぶった額の右上あたりを思いっきり殴られたような衝撃を感じて、思わずうずくまった。

そんときは飛ばされてきた石でも当たったのかと思ったけど、何かにぶつかったわけじゃない。
その後目の前がぐらぐらするような強烈な頭痛が襲ってきて、もっと先まで走るはずだったのが予定を変更してそこで引き返した。

帰り際にだいぶ離れてからチラっと後ろを振り返ると、カーブで花束は見えないけど、そのガードレール一帯の上のほうが半径10mくらいに大きく赤く光っていた。

家に帰って額を見ても、もちろん傷がついたりこぶがあるわけじゃない。
ずっと頭が痛く吐き気もしたんで病院に行こうかと考えたけど、一晩寝たらきれいに治ってた。

それから二日後に同じ場所に走りにいってみたんだが、花束も箱のようなものも何もなくなっていた。
光も見えないし頭が痛くなることもなかった。