私自身の体験談です。
昭和50年代半ばのことなので、だいぶ前の話になります。

当時、私は海自で護衛艦に乗り組んでいました。
航海中のある夜、妙に息苦しくなって目が覚めると、カーテンの間から白い作業服を着て赤い顔をした人が覗き込んでいたんです。
赤い顔は夜間照明の赤色が写っているのかと、寝呆けながら思ったのですが、当時の作業服の色は青。
白い作業服は既に使われていません。
尋常ならざる物を感じ硬直していると、頭の中に「キサマは誰だ、ここは俺の寝台だ」という言葉が響いてきました。

「聞こえた」と言う感じではありません。

私は寝台から飛び出して52番砲台に行き、班長に報告しました。
乗組んでいたのは護衛艦「てるづき」

このフネは昭和38年に衝突事故で就寝中の五名が圧死しており、私の寝台の位置はそのうちの一つでした。

寝台自体は翌日すぐに変えてもらいましたが、居住区は当然ながら乗組期間5年の間同じでした。