北海道札幌市には「平和の滝」っていう心霊スポットがある。
心霊スポットっていってもシーズンになると蛍が見れるから、例えば夏休みに肝試しに行こうってことになっても、心霊スポットであることを知らないであろうカップル、家族やらが普通にいたりするところ。

話は今から10年以上前、俺が高校時代の夏休み。
その日は母親がいなく、父親も仕事で家に中々帰ってこない半分1人暮らし状態の友達の家に泊まりに行ってた。
でもやっぱりしばらくするとやることがなくなり、女子も誘って肝試しをやろうってことになった。
急な誘いにも関わらず、男子4人、女子3人というメンツが集まった。

どこへ行こうかって話になったんだけど、学校はまずダメ。
以前、夜学校に侵入したのがバレて次やったら停学、何か問題を起こしたら退学にする・・・と脅しをかけられていたから。
そこで名前があがったのが平和の滝だった。

俺はそこが蛍の名所であることも知ってたけど、蛍を見たことがない上に正直霊を全く信じていない俺は蛍見た方が楽しいかな?と思って黙ってた。

チャリで40、50分くらいの距離だしちょうどいいやと思って俺たちはそこに向かった。(女子はチャリじゃなかったので2ケツ)

しばらくして到着。
ホタル見たさの人は誰もいなく、石碑なんかもあったりしてやはり中々の臨場感。
平和の滝って名前の割には自殺が多い場所で深夜に滝に行くと、滝の上から誰かが手招きしてるとか、写真を撮ると滝の中に顔が無数に浮かび上がってるように見えるとか・・・そんな程度の心霊スポット。
それでも俺たちは「こえーww」とか言いながらワーキャー盛り上がってた。

で、滝の方に向かってくわけなんだけど、何かがおかしい・・・。
何がおかしいのかはわからないけど、とにかくおかしい。

・・・静かすぎる。

1分前までみんな盛り上がってたのに誰も声を発しない。
怖いなら怖いなりに声を出してもいいはずなのに・・・。

しかし、静かな理由がすぐにわかった。

声は出さないんじゃない、出せなかったんだ。
他の人がどうだったかは知らないが、少なくても俺は出せなかった。
それどころが足を止めたいのに止めることが出来ないし、顔を動かすことも出来ない。
自分の体なのに言うことを全く聞いてくれなかった。

そのまま俺たちは滝の前まで強制的に連れてこられて立ち止まった。
一刻も早く帰りたかったが、滝から目を離すことができなかった。

そのまま俺たちは滝の前まで強制的に連れてこられて立ち止まった。
一刻も早く帰りたかったが、滝から目を離すことができなかった。

暗闇に目が慣れ滝に1人の男の子?がいるのがわかった。
その子はこちらに背を向けて体育座りをしていて、一目でその子がこの世のものではないとわかった。

その時滝の音が止まった・・・。

止まるはずはないんだが、確かに聞こえなくなった。
それと同時に鼻歌みたいなのが聞こえてくる。
聞いたことがあるメロディー。

「あんたがたどこさ」だ・・・。

ずっと前に「学校へ行こう」って番組でこの歌を使ったくだらない遊びを紹介してて、それが小学生の弟たちの間で流行ってたから聞き間違いではない。
間違いなく「あんたがたどこさ」だ。

その歌が中ほどまでくると、その子がすっと立ち上がった。
ゆっくり、ホントにゆっくりとその子は体ごとこちらに向けていく。

怖かった・・・。
顔を見たら死ぬんじゃないかと感じた。

その子が完全に横向きになったあたりで後ろから「ドサッ」と誰かが崩れ落ちる音が聞こえた。
それと同時に「逃げろ!!!!」と大きな友達の声が聞こえた。

体がいつの間にか動く。
俺は腰を抜かしてる女子を半ば引きずるように立たせ手をひきながら力の限り走った。

滝の音がする。
が、「あんたがたどこさ」は止まらない。
それでも俺たちはチャリに飛び乗って無我夢中でこいだ。

夢中でチャリをこいでいると、コンビニの明かりが見えた。
気付かなかったがいつの間にか「あんたがたどこさ」も止まっており、俺たちはやっと解放されたと思い一安心した。

その後特に異変はなかったが、あの歌を最後まで聞き、あの子の顔を見たらどうなっていたのか・・・今でも怖くなるときがある。
滝壺への投身自殺、公衆トイレ内での焼身自殺、首吊り自殺。
自殺のメッカでもあるその場所とあの子は無関係なのか、今でもわからない。