私は全くの零感なんだけど、どうやら母と祖母が見えるタイプの人。(祖母は易占とお祓いまがいのこともやっていた。いまはボケてきちゃってやめちゃったけど)
その中で私にもちょっとだけ被害?があった話。

当時私は中三で高校受験を控えていて、家の隣(同じ敷地内。玄関すぐ)に小さい離れみたいなとこで勉強していたのね。
十時過ぎくらいかな。
そこへ飲みに行ってた母が帰ってきて、離れのガラス戸をコンコンってノックした。

私も椅子から立ち上がって「おーお帰り~」って手を振る。
母もガラス越しに手振ってただいま~って。
そしたら急に母の顔がサッと険しくなって、乱暴にドアを開けた。
びっくりする私をよそに放った言葉は「あんた誰?!!」って。

はぁ?酔っ払ってんのか?

そう思いながら「誰って◯◯(私の名前)だよww酔ってんの?ww」って笑っても「◯◯じゃない!!あんた誰!!そこで何やってんの!!」って繰り返すばかり。
さすがに怖くなって泣き出す私。
騒ぎを聞きつけて家から飛び出してくる父。

そんな父にも「お父さんこの子◯◯じゃない!!◯◯じゃない!!」って捲し立てる母。
私ガン泣きwww

父が「◯◯が怖がってるだろ!!いい加減にしろ!!」って母に怒鳴って、私に家に入るよう促した。
号泣しながら入ろうとすると「あんたは入るんじゃない!!」って私を見て母が怒鳴る。

めちゃくちゃ怖くて走って自分の部屋に戻った。
部屋に戻って猫抱きながら泣いてると、しばらくして母が入ってきた。

怯えてまた私が泣き出すと、母は「ごめんね。お母さん酔っ払ってたみたい、間違えちゃった。ごめんね、あんたはお母さんが守るからね。守るからね」って抱きしめながら繰り返した。
いつもの様子に安心してまた泣き出す私に、今日はもう寝ちゃいな、と母が笑った。

よかった、いつものお母さんだ・・・そう思って、泣き疲れたのかその日はすぐに眠ってしまった。

翌朝何となーく気まずい感じでリビングへ行ってみると、いつも通りキッチンで母が朝食を作ってた。
そして私の顔を見て「おっ◯◯!昨日はごめんねwww」って昨日の剣幕が信じられないくらいの調子で言った。

ふざけんなやっぱ酔っ払ってたんじゃねーか!!って思って「やっぱ酔っ払ってたんでしょwwwマジ昨日何だったの?www」って笑ったらふっと真顔になって、「いや、酔ってない。本当に◯◯じゃなかった。あんたの隣にさ、男の子がいたの。最初は見間違いかな?って思ったんだけど、その顔がだんだん◯◯の顔に重なってきて、完全にその男の子の顔になっていった。だから思わず怒鳴っちゃった。ごめんね」と。

それ聞いてちょっとぞっとしたんだけど、またまたご冗談をwてな感じで笑ってた。

そしたら部屋から降りてきた父の第一声が、「おい、昨日俺金縛りwほとんど寝てないw」と、寝不足のせいか妙にテンション高い父に「ほらー!嘘じゃないでしょ!良かったね◯◯から離れてお父さんとこ行ったんだ。よかったよかった」とドヤ顔な母。

ちっともよくないよ~とぐったりの父。
その時は誰が連れてきたんだよ~とかブーブー言って終わりだったんだけど。
父もそれから妙な出来事にも襲われずに。

それで今日このことをふと思い出して母に聞いてみた。
覚えてる?って。

私「その男の子誰だったんだろうね?心霊スポットも行ったことないのに。やっぱお母さんが連れてきたんじゃないのw」

母「あー、あの子ね。おばあちゃんのお客さんが置いて行ったんだよ」

私「・・・は?」

母「ほら、おばあちゃん、家で占いの他にお祓いもちょっとやってたでしょ。その時のお客さんにさ、リストカットだらけの女子高生がご両親と来たことがあったの。全部で5回くらい来たかなあ。腕だけじゃなくて首も包帯だらけで。目も虚ろで。その子が言うには、誰かにおいでおいでって呼ばれるんだって。そのたびに腕切ったり首切ったりするんだって。それで、初回にその子が家に入ってくるときたまたまちらっと見たんだけど、男の子背負ってるのよ。同い年くらいの。そのときはうわー背負ってる背負ってるとしか思わなかったんだけど」

私「その女の子どうなったの?」

母「三回めくらいからすっきりとした顔してたよ。学校も行けるようになったって言って。そりゃよくもなるよね、うちにアレ置いて行ったんだから。生霊だか死霊だか知らんけどさ。それであの日アレがあんたと波長が合ったんだか分からんけど、憑こうとしてたみたいだから怒ったの。あの時は腸が煮えくり返るかと思ったわ~。おばあちゃんにも怒ったもん、もう自宅でお祓いなんてやめてくれって」

これ聞いて私ポカーン。

もう怖い通り越してびっくり。
こんな裏話があったのかと。

実は私当時、中二病こじらせてリスカアムカをやってたんですよ。
お恥ずかしい。
男の子がわたしと波長を合うって感じたのも、そのせいだったのかなと思いました。

私は変わらず零感ですが、母は今でもちょくちょくこういうことがあるそうです。
お目汚し、失礼しました。