友達の実体験。

私には霊感の強い友人Aがいるんだけど、見えるだけで祓えないから、よくついて来るんだって。
17歳の時にAの紹介で同じバイト先に入ったんだけど、なんでもそこは出るらしい。
店舗の二階にはロッカールームがあって、壁一面と真ん中に背合わせみたいにロッカーがずらりと並んでいる。
出口には身だしなみチェック用の全身鏡が置いてあって、その向かいのロッカーには、誰かの鏡がいつもぶら下げてあって、いわゆる合わせ鏡状態になっていた。

ある日Aが休憩でロッカールームに入った時、電気をつけようと部屋を覗き込んだら、ロッカーにぶら下げてある小さな鏡に、白い服を着た女が立っていたらしい。
真っ暗で人気の無い室内だったからびっくりしたらしいんだけど、まぁAはもともと見えるタイプで、あまり気にせずに電気をつけたら、女の姿は消えていた。

そのまま気にせずロッカーとロッカーの間に挟まるように座ってメールをしていたら、真横に二本の足が立っていたらしい。
しかも素足。
さすがのAも怖くなって無視してたら、そのうち消えた。

だけど、どうやらAはその女を連れて帰ってしまったらしく、それから毎日女が自宅に出るようになった。

Aは母と姉、年の離れた小さな弟がいるんだけど、揃いも揃って霊感家族。
姉は守る方の力が強くて、彼女がいる時は霊は出てこないらしい。
だけど姉は多忙でめったに家にいない。
母親も母子家庭だから、毎日遅くまで仕事。
Aはバイトや学校や、バイト先で最近付き合い始めたDとデートしたりで、やっぱり留守がち。
そうなると必然的に被害に会うのは弟なわけで、毎日追い掛け回されてた。

当時はまだ小学校の低学年で、見える上にビビるモンだから、女も弟ばっかり襲ってたんだろう。
一度物凄い顔で襲いかかられたらしく、弟は雨の中泣きながらAの職場に駆け込んで来た。
それから弟は一人で家にいられなくなり、無人状態の駅で、終発まで姉や母を待つ日々が数ヶ月続いてたらしい。

ある日AとDが旅行でホテルに泊まった時、そこにまでついて来たんだって。

それから暫くして、Aは彼氏と別れ、普通に帰って来るようになった。
するととたんに、女は出なくなった。

今度は変わりにDの前出る様になり、立て続けに不幸が続いた。
家族が死んだり、留年したり・・・。

どうやら女はAじゃなく、Dに憑いてたらしい。
ホテルについて来たのはDがいたからで、女が出るようになったのもDと付き合いだしてから。

当時DはA宅で家族ぐるみの付き合いをしていて、Aや家族が襲われていたのは、ある意味嫉妬だったらしい。
更に弟は、家族の中で一番Dに懐いてた。