一年前くらいに体験した実話。

ちょうど夏の終わりの夜に地元の団地の屋上で友達2人と酒盛をしていた時のこと。
・・・俺の団地は地元らへんじゃ有名な自殺多発地域で、住んでるのも893やキ◯ガイのオバハンなど独特な空気を持った団地だった。
団地の友達間ではよく「何棟から昨日またオッサン飛んでんてー」など日常会話だったし、遺書を屋上で見つけたこともあった。
そんな団地の屋上はヤンキーなどの溜り場で、良く酒盛りやアオカンなどに使われていた。

その日もいつもと同じように、酒を買いこんで、俺と友人Aと友人Bで屋上のてっぺんの弊に三人腰掛けながら、星を見つめ酒を飲んでいた。

時間は朝方4時くらい?
酒も良い感じに回りテンションも上がり楽しく談笑していた最中。
Aが急に変なことを言い出した。
もともとAはよく霊とかの類を見る奴だったので余計気味悪かった。

「おまえら今携帯鳴った?」

俺とBが携帯確認後、鳴っていないことをAに伝えると「そこのフェンスの外からピリリリって着信音が一回だけした」と不安な顔をしながらAが言った。

そのフェンスの外側は何も無く、ましてや屋上にこの時間に住人の俺達以外誰もいるハズがない。

俺が酔っ払っているせいだろうと、話を戻した。またしばらく話が進んでいたが、そこに着信音が一回鳴った。
古臭い昔の携帯のような音でピリリリと・・・。
Aの言うフェンスの向こう側からだった。
正確に言うとフェンスの真下あたりだ。

今回は三人とも全員聞こえていた。
一瞬で空気が止まった。
気持ち悪くなり、俺が話を続けようとするとAが青白い顔で震えながら「あっこからなんか来る」とフェンスを指差しながら顔を背けた。
俺もその方向に目をやると、言葉では言い表せないくらい邪悪でとても気持ち悪い電波のようなものがその屋上のフェンスの一角から発せられているのがわかった。
本能的にヤバいと感じた。
Bも何かわかったらしく震えていた。

なぜかその瞬間、頭にイメージが湧いてきた。
そのフェンスを乗り越えて青と白のパジャマを着たオッサンがこちらに向かってきている鮮明なイメージだった。
容姿は雨上がり決死隊の蛍原を前髪を伸ばしたような髪型で顔がわからないが、パジャマは汚れ、何より首が折れていた。
それがまるでリングの貞子のような格好でこちらに向かってきていた。
まるで脳内ムービーのような感じで電気が走ったかのように俺の頭に湧いてきた。

その気持ち悪い電波が何かわかった瞬間、俺達三人は顔を見合わせて、全力で走って逃げた。
そして必死にエレベーターに逃げ込んだ。
途中、Aが何度も後ろを振り返るなと言っていたが、その時は逃げることに夢中だった。

無事にエレベーターに逃げたは良いが、一階に着くまでの間なぜか誰もいない階にエレベーターが何回か止まった。

その後、近くのファミレスでお互いが見たものを話あった。
Aは俺が頭の中で見たもの全てがリアルに見えていたらしく、Bは俺と同じように何かを感じていたらしい。

また逃げている途中、Aが振り返ると、パジャマのオッサンがこちらに向かって歩いてきていたらしい。

たぶん飛び降り自殺の霊だと思うが脳内描写があまりにもリアルだったのと、携帯の着信音が本当に気持ち悪かった。

今書いていても気持ち悪い。
団地に住んでいる方は屋上に要注意。
それから屋上は行ってません・・・。
マジで怖かった・・・。