これは小学校3年生の時に体験した話。

その時の俺は毎週水曜日の夕方、近所のマンションの一室にある英会話教室に通ってた。
その日は丁度授業の時間に夕立が発生し、教室には俺を含めて2~3人しかいなかった。
外は大雨。
先生は人が集まるのを待っている間、時間つぶしにある話をしてくれた。

その話とは人差し指だけで人を持ち上げる方法のことだった。
ご存知の方も多いと思うが、椅子に人を座らせ、その人の頭頂部に手をかざしてから、タイミングよく持ち上げると、人差し指だけで人がフワ~と浮き上がっていく。
ただ、一般的に知られている方法では最低でも4人程度は必要で、先生が教えてくれたのは(くれようとしたのは)”一人で人を浮かばせる方法”だった。

先生いわく、やり方は一緒だが”ちょっとした呪文”が必要になるだけらしい。

人を人差し指一本で浮かばせるなんてどうやるんだろう?

リアル小学生だった俺はわくわくしながら先生の話を聞いていた。
先生の言うことには、何回も成功していることで、それほど難しいことではないらしい。

先生は俺ではない生徒の一人を椅子に座らせると、妙な手の組み方をしてゴニョゴニョと呪文を唱え始めた・・・・・・。
呪文というか、俺が聞き取れた範囲では誰かにお願いをしているような感じだったが・・・・・・。

ところが、この儀式(?)は結局行われずに終了してしまった。
話と準備をしている間に雨が上がってしまい、途中で生徒が何人かやってきたからだ。
話を最初から聞いていた俺たちは「やってくれ!!」と先生に抗議したが、先生は笑いながら授業を開始してしまった。

その時の俺は「ああ、なんだ。時間つぶしの嘘話だったんだなー」と思っていた。
ところが事件はその後に起こった。

その瞬間のことは今でも覚えている。
授業が始まり、先生が「リピートアフタミー」と言って手をぽんっと合わせた瞬間、「バーーーーーーーーーーーーーーーン!!!!」ってマンションの間近に雷が落ちたのだ。
ついでにブレーカーが飛んだのか電気も落ちた。

その後は授業どころの話じゃなかった。
女子は泣き出すし、俺も含めてさっきの話を最初から聞いていた連中はびびりまくり。
その日の授業はなし崩し的に中止になった。

話自体はこれで終り。
間近というのは俺の主観で、実際は結構遠くに落ちたのかもしれないし、先生が手を合わせた瞬間に雷が落ちたのも単なる偶然なのかもしれない。

ただ、俺は10年以上たった今でも確信している。
この雷は先生が途中で儀式(?)を中断したから力が妙な形で発現してしまったんだと。
さっきの呪文のようなものは「こっくりさん」に近いもので、なんかやばいモノを呼んで中途半端に終らせたから、その反動が来たんだと。

腰が抜けるという体験をしたのは後にも先にもこのときだけ。
それ以来、俺はこっくりさんやその手のものは絶対にやらないことにしている。