私が中学生の時、学校祭の打ち上げ兼優勝祝いでお泊まり会をしました。
クラス全員参加で担任が仕切っていました。

その日は夜の体育館で『サスペリア』を鑑賞した後、校内肝試しを行いました。
※『サスペリア』１９７７年制作のイタリアのホラー映画。

何か見たとか言う人も居ましたが、私は全く感じないのでただ聞いているだけ。
それから就寝時刻になったので、寝袋に潜ってぐっすり眠っていたのですが・・・眠っている私を誰かが起こそうとしていたんです。
でも、私の名前を呼ばないし、声も変・・・。

私は酷く不機嫌に「なんだよ！？」と訊きました。
しかし返ってきたのは泣き声で「笑いたくないのに笑っちゃうの・・・フフフ」という理解不能なもの。

目を開けると、いつもなぜか隣にいる嫌いな友人Ｎさんが体育座りで泣きながら「笑いたくないのに笑っちゃうの・・・」を繰り返して、私を揺さ振っていたのです。
ちなみに時間は夜中の二時過ぎでした。

Ｎさんは次第に声を大きくしながら同じことを何度も言っていました。
そのせいで、クラスの人達も段々と起きてしまい、担任や友人が宥めても変化はありませんでした。

泣き止まないためか疲れているらしく、Ｎさんが衰弱してきたようなので一旦保健室まで連れていくことになりました。

クラスの騒ぎたい連中が集まったのですが、Ｎさんの状態が深刻に思えたらしい担任が人払いをしました。
付き添いだった私も戻って寝ようと思ったら、担任に引き止められました。
なぜだかオカルト好きなせいで塩持ってそうだと思われたようで、保健室に残されました。
実際、神棚に捧げた塩を持たされていたのですが・・・。

でも霊感もないのに対処も何もないので、寝不足の恨みを込めて「Ｎさん、しっかりしなきゃ駄目だ！」と言って思い切り背中を叩きました。

その後、気休めになるならと塩をぶっかけて「もう知らんです」と言って寝ました。

翌日、朝一で霊能者？らしき人が来てお祓いし、Ｎさんも元に戻りましたが、『サスペリア』を見たのが原因なのでしょうか・・・。

週明けに登校するとＮさんは普通で、笑いたくないのに笑っちゃうことは全く憶えておらず、高校に上がってからもあの日のことが思い出されることはありませんでした。