アメリカで聞いた話。

留学先の大学で仲良くなった男子学生が、こんな話をしてくれた。

男子学生:「俺の故郷の、インディアン達に伝わっている話なんだけどさ。大昔そこの部族じゃ、よくよく異形の赤ん坊が産まれていたらしいんだ。鱗と尻尾が生えていて、手足にゃ水掻きが付いていたんだと」

男子学生:「そんな時は、部族の伝説に伝わる英雄に祈ったんだって。ヤナールハって名前の、シャーマンヒーローらしいんだけどな。”英雄の墳墓”と呼ばれる丘が山の中腹にあって、そこの石室に問題のある赤ん坊を一晩入れておく。すると翌朝、その赤ん坊は普通の人間の姿となっているんだとさ。まぁ姿は普通になっても、衰弱して死んでたこともあったみたいだけど」

男子学生:「俺は散々、親爺からこう言われて育ったんだ。『お前には産まれた時に尻尾があったんで、ありがたくも伝説の勇者様に助けてもらったんだぞ』ってね。これをニヤニヤ笑いながら言うんだぜ、我が父君はまったく質が悪い」

男子学生:「だから俺も、自分に子が産まれたら、『お前には~』ってやってやるんだ」

すごく良い笑顔で、彼はそう宣った。