僕が数年前に付き合っていた彼女の話です。

彼女が地方で泊まりに行った時のこと。
夜9時ぐらいになった時に僕に電話がかかってきて、仕事が終わったんだなと思って電話に出たんです。

僕:「もしもし、お疲れ様。仕事終わったん?」

すると彼女、電話越しに泣いているんです。
どうしたの?って聞いたら、「怖い、怖い・・・」と、ただ泣くばかりなんです。

「なぁ、落ち着いて?泣いてたら分かんないよ。どうしたの?」と聞くと、電話越しに「カランカランカランカラン・・・」と音が聴こえたんです。

僕:「え、今の音なに?」

彼女:「何の話?音って何のこと?」

僕:「ずっとカランカランカランカランって後ろから聴こえてるやん。何の音?」

彼女:「やめて!!!」

僕:「全く話が見えないし、分かんないから落ち着いてよ。一度ゆっくり経緯を話してみてよ」

彼女:「赤ちゃん・・・車が・・・彼氏が・・・許されない・・・」

話がよくわからない。
そうしたら、電話が切れちゃったんです。
全く理解できなかった僕はすぐにかけ直したんです。
そうしたら、彼女の携帯電話が話し中になってて、心配だから何度もかけるんですが、ずっと話し中。

僕は彼女の部屋の合鍵を持っていたんで、彼女の部屋で待つことにしたんです。
それで彼女の部屋で待っていたら、しばらくすると彼女が戻ってきたんです。

彼女:「ただいまー、聞いてや~」

帰ってきた彼女はいつもどおりのテンション。
あ、良かったなと思いながら「昨日どうしたの?結局何だったの?」

彼女:「昨日めっちゃ怖かってん。あんな、夜の8時くらいに仕事が終わって、ホテルまでの道を歩いて帰ってたんや。田舎道で誰もおらんかって、ガードレールに沿った道を歩いてたんや。そうしたら一箇所、ぐにゃっと曲がったガードレールがあって、そこが気になったんで下を覗いてみたら、枯れた花束が二つ置かれててん。あー、誰かここで亡くなってるんやな、可哀想にと思いながら、そのまま歩いてったの。そしたら後ろからカランカランカランカランって音が聴こえて、パッと振り向いたら、白い服を着た女の人が赤ちゃんをあやすおもちゃを振ってるの」

彼女はそれを見た瞬間、これは生きている人じゃないと感じたそうなんです。
これはやばい、逃げないとと思った瞬間、その女がガードレールを叩きながら音を立てて走ってくる。

彼女は『やばい、こんといて・・・こんといて・・・』と思った瞬間、耳元で「赤ちゃん・・・車・・・彼氏・・・許されない・・・」という声が聴こえて、やばいと思って彼女は走って逃げたんです。

それでホテルについて僕に電話した・・・でもそこから先は何事も無かったんでよかったと思っていたそうなんです。
それだったら良かったなぁという話をしていると、急に彼女がまた泣き始めたんです。

僕:「ごめんな、怖い体験を話したら、また怖くなったよな。ごめんな」

泣いている彼女をなだめようと背中をポンポンと叩いていたんですね。
そうしたら、急に僕の肩に噛み付いてきたんです。

僕:「何しとんねん!痛いからやめて!」

僕はびっくりして彼女を見たら、考えられないくらいの白目を剥いて、鬼のような形相で僕に噛み付いているんです。
痛かったんで彼女を押して離すとその瞬間に「人殺し!!!人殺し!赤ちゃんのこと返して!返して!!!」と、そう言いながら暴れだしたんです。
そうするうちに彼女は気を失い、寝てしまった。

その時に僕、彼女はガードレールで見た女の人を連れて帰ってしまったなと思ったんです。
次の日に彼女を霊媒師さんのところへ連れて行き、除霊をしてもらいました。

霊媒師さんに話を聞くと、その女の人は彼氏と付き合っていて子供を授かったらしいです。
それで結婚しようって彼女が言った時に、彼氏はどうしても結婚はしたくなかった。
親とかは子供が出来たんで結婚しろって言いますよね。
でも彼氏はどうしても結婚したくなかった。
それで彼氏はどうしたかというと、彼女を車に乗せてドライブしているふりをして、彼女を轢いて事故死を装ったんです。

だから彼女は彼女と赤ちゃんを殺した彼氏に向かって「私の赤ちゃんを返して。貴方のことは許せない」と訴えていたそうです。