お笑い芸人、博多大吉の体験談。

18年位前なんですけど、僕らがまだ福岡に居た頃で本当に駆け出しの頃です。
その頃にナンパという形で専門学校に通っている女の子と知り合ったんです。
それで一緒に飲んでて見た目もすごくタイプだし、「よかったらこの後うちに来ていいよ」と言われて「あー、行く行く~」と、その子のうちに行くことになったんですよ。

でも部屋に入ったらなんだか違うんです。
女の子の部屋ってヌイグルミとかそういう可愛いのがあるじゃないですか?
でもその子の部屋はあるミュージシャンのポスターだらけなんですよ。
それで変な感じがするんですが、まぁいいかと思い、飲み直そうという話になって、飲んでました。

でも僕がどんな話をしても、女の子はそのミュージシャンの話しかしないんです。
それで朝方までそのミュージシャンの話をしてて、僕がどんな話を振ってもその女の子はそのミュージシャンの話に戻してくるんです。

『この子とは話が合わないな・・・』

次の日仕事もあったんで、その後実家に帰って寝てたんです。
そしたらその日から毎日女の子から電話が来るようになったんです。

女の子:「今日は何時に来るの?」

女の子:「いつになったら会いに来るの?」

僕が「別に用事がないから行かない」と言うと、突然泣き出したりするんです。
そんな毎日が一月くらい続いたんで、なんとか話をしないといけないと思って電話で伝えたんです。

大吉:「悪いけど、お前とは付き合ってないよ。ただ家に遊びに行っただけだから」

するとずっと沈黙だった向こうが、急にでかい声を出して「勝手なことを言うなよ!!お前のせいでこうなったんじゃないか!!」って。

僕は「ごめん」と言うしか無く、「もう切るよ」と伝えると切る間際に「・・・覚えてろよお前。ただじゃおかないからな。次会ったら・・・」と喚いているんで、俺もカチンと来て電話を切ったんですよ。

それからしばらくして僕も実家を出たんで、すっかりそのことは忘れてたんですけど、何年か経ったある日、家から見える距離くらいの歯医者に行ったんです。

「少し削らないといけないんで麻酔しますねー」
「分かりました」

エプロンを付けて口を開けて待っていたんです。
歯科助手の女の子来たんですが、麻酔液を注入する瞬間に目を開くと、看護師さんがマスクを取って言ったんです。

「私の事、覚えてる?」

・・・その子、7年前に会ったその子だったんです。
結局、麻酔は打ってくれたんですが・・・流石に怖かったんで銀歯の型だけ作って次からは別の歯医者に行きました。