昔テレビで観た、大量の食糧と共に餓死した植物学者の実話が壮絶だった。

第二次世界大戦中、ロシアのある都市が敵軍によって包囲された。
そこには植物の研究所があり、世界中から集められたありとあらゆる植物の種が大量に保存されていた。
敵に包囲される直前、植物学者たちは都市から脱出することを軍人から進められたが、学者達のうち三人が「種を守る」と言って研究所に残った。
この研究所の種は『いつか大災害などで世界が荒廃した際に大地に蒔く』という目的で、未来の人類のために保存されていた。

敵に包囲されたことにより物資の供給が絶たれ、都市の人々は餓えと寒さに苦しむ。
植物の種は食料にも出来るけど、学者達は必死に餓えに耐えながら種を守る。
学者の一人が配給食を取りに行って、暴漢に襲われるだか行き倒れるだかして死亡。
残された二人は壁紙を剥がして裏の糊を舐めて飢えをしのぐ。

死んだ一人目の幻覚を見始め、二人目の学者が死亡。
三人目は都市が解放されるまでなんとか生き抜いた。
学者達が守った種は、食糧難に苦しむアフリカに蒔かれることで役立った。

凄く壮絶な気分になった。
俺なら絶対に堪えれずに種をたいらげるわ。
研究所の種を盗みに来た男がいて、学者達に「俺には飢えた子供がいる。今生きている人間と未来の人間とどっちが大事だ」と言っていたのもモヤモヤした。