これは僕の同期から聞いた話なんですけど。
そいつが小学校の時に、近くに廃園になった幼稚園があったそうなんですね。
その幼稚園には『ピアノのある音楽室で先生が首を吊った』みたいなよくある怪談話があったりしました。

そんなある時、小学校のクラスで、みんなで肝試しに行こうって話になって、夜中に男子何人かで、懐中電灯を持って出かけていったんです。

その幼稚園っていうのは一階建てで、長い造りになってて、廊下が一本真っ直ぐ通ってる。
その廊下の左側には窓がはまってて、右には教室が何部屋かあって、一番奥に音楽室があるっていう造りだったそうなんです。

その廊下のはじめにある扉を開けて、みんなで懐中電灯を持って入っていったんです。
一番奥にある音楽室に向かって。

音楽室のドアを開けて、懐中電灯で中を照らしながら、中に入っていく。
でも、結局何もなかったそうなんです。
もちろん幽霊も出ないし。

けど「何もでねーな」って話をしながら部屋の中を見てたら、音楽室の横に下に降りる階段を見つけたそうなんです。

そしたら一人が「おい、これ下降りてみようぜ?」って言うんですって。
でも、みんなさすがに気持ち悪くなってて、「いや、やめとこう」と。
そんな感じで、降りるか降りないかを話してたんです。

そしたら一人が、窓のほうを見て、「うああ・・・」って声をあげたんです。

「どうした?どうした?」って他のみんなが言うと、その子が「おい、あれ・・・あれ見てみろよ」と・・・。

みんなが窓のほうを見ると、そこにボールみたいな物が浮いてるんです。
そして、それがすごい速さで回転してるんです。

「なんだよあれ・・・」

それをよく見てみると、それはボールではなくて・・・“人の頭”だったらしく、がすごい速さで回転してるんですって。
それで、みんなで急いで逃げたんです。

で、その話を次の日に学校でしたら、案の定みんなが「嘘くせぇ~」と。

でも本当に見てますからね。

「それなら、見てこいよ」って言い返したら、ある一人が「じゃあいいよ。俺行ってやるよ」って言い出してね。

でもさすがに、そいつも夜中に一人で行くのは危ないっていうんで、昼間に、その幼稚園に一人で行ったらしいんです。

それでさらに次の日に、そいつが「見てきたよ」って言うから、「何かあった?」って聞いたら、「いや、何もなかったよ」って言う。

見間違いだったのかな・・・ってみんなが思い始めてたら、「でもさ、お前らが言ってたのと1つだけ違うことがあったよ」って、その子が言うんですって。

「何?」って聞いたら、「下に降りる階段なんてなかったよ」って言うんです。

それでいまだにわからないらしいのが、その下に続く階段を見つけた時に、「おい、降りてみようぜ」って言ったヤツが、誰だかわからないらしいんです。