高校の時の話。
まだガラケー主力の頃、ハイビジョンムービーが撮れると銘打った携帯電話を購入したので、何か動画を撮ってみたくなった。

しかし何処かに遊びに行くとかいう積極性は無かったので、部屋の中を撮影する事にした。
ベッドに座ってぐるりと周りを撮っていく。
壁、窓、机、と映していき、カメラがドアを映したあたりで、画面越しに俯き加減の髪の長い女が部屋の入り口に立っているのが見えた。

当時実家に住んでいた姉が、ビビらせに来たと思い画面から顔を上げると、女はそこにいなかった。
姉の部屋へ行き、ベッドの上で寝転がっている姉を問い詰めたが、寝起きらしく機嫌が悪く、結局、あの女が誰だったのかは分からなかった。

・・・という話を、数年後居間で心霊番組を見ながら母に話したところ、「それはお父さんが単身赴任してるころ?」と言われ、まさしくそうだと頷いた。

「その人、お母さんも見たよ」と母が言った。

母が寝室で微睡んでいた時、ちょうど私が見たように、部屋の入り口に髪の長い女が俯いて立っていたという。

母も姉が部屋にやって来たと思い名前を呼んだが、女は微動だにしなかったため、「あー、これは見ちゃダメなやつだ」と思いそのまま寝たとのこと。

そのあと、あの女は見ていない。

余談だけれど、その話をした後に母が「時期的にもねえ、アレは完全にお父さんの不倫相手が、私たち家族を呪ってるんだなって思ったよね」と呟いたのが一番怖かった。

唯一の心霊体験?でした。