1978年のことです。

京都祇園。
八坂神社や知恩院など、有名な神社仏閣がたくさんあります。
東山3条に今も住む八田(仮名)が高校時代に、その中の一つのお寺に隣接する墓地に、友人と一緒にカセットレコーダーを持って、肝試しを兼ねて幽霊探査という名の下で収録に行こうということになりました。

一番幽霊が出やすいといわれる夜中の2時に3人で出向きました。
レコーダーを持ったのが八田。

怖さもあったので、3人は何やかんやと話しながら墓地を歩きました。
その間もレコーダーは回っています。

結局何も見たりはできなかったのですが、「何も出えへんなぁ」と八田が言ったその時です!
「コラーッ!」と大声が響きました。

現れたのはお寺の坊さん。
やば!!、と八田は思ったそうです。

坊さんに「何をしとるか!」と一喝され、その剣幕に驚いた3人は立ちすくんだのです。
八田が「実は、幽霊の声の録音を・・・」云々と事情を説明すると、坊さんは「そんなもん、おるわけないやろ、この馬鹿者!夜中に勝手に墓地で遊ぶな!」と、こっぴどく叱られたそうです。

しょげて、驚いて、気落ちして3人は八田の家に帰りました。
「やっぱ、やばいよなぁ」、とか何とか話したようです。

ふと、八田はテープを巻き戻し再生してみました。
虫の声や3人の会話が録音されています。

そして、坊さんの声が入る頃・・・何も録音されていません。

ただ合間を置いて「僕達、幽霊の声でも録音しようと」、合間があって「すみません」と、自分達の声しか録音されてないのです。
坊さんの声が全くないのです。

「さんざんに叱ってくれたあの坊さんは誰なんだろう・・・」と、八田は言っていました。

そのテープを聞かせてもらいましたが、坊さんの声にあたる部分には虫の声しか入っていませんでした。
あの坊さんこそが霊だったのだろうと、納得している八田でした。