本当に涙が出るくらい恐怖した話ですが、落ちがありますので、ご容赦ください。

全国的に有名でテレビの怪奇現象特集でも良く取り上げられた心霊スポットの、すぐ近くのとある場所での出来事です。
地元では結構広まっていた話なので、場所など特定できる方もいらっしゃるかもしれません。

当時、心霊現象に興味のある年頃だったことから、仲間内で有名な心霊スポットや噂で聞いた怖い場所、墓地などを夜中に散策したり、写真を撮ったりしていました。

ある時、友人Mがほぼ間違いなく出ると言われているスポットの情報を得たので、行ってみようということになりました。
その場所は、◯◯橋の横の細い路地を入って行った場所で、外灯などはほとんどない薄暗い道で、その道を道なりに進んで行くと右カーブにさしかかり、そのカーブの正面に、壁が白く赤レンガで作られた階段のある家があって、その階段の所に2人の子供の霊が出ると言う。

ちょうど◯◯橋の横の路地を入ってすぐの所で川遊びしていて、溺れて亡くなった2人の子供の霊ではないか?と言われていた。

その道は、ほとんどの人が日が暮れてからは通ることを避けて迂回しているらしく、どうしても通らなければならない時や、その近所に住んでいる人達は、車のライトを消して通るようにしているとか。
車のライトや灯りがあると、その子供の霊が喜んで、階段を駆け下りてきて付いて来てしまうらしいのです。
そんな話を聞き、私と友人M、その他2人の友人の計4人で行ってみることにした。

◯◯橋の路地にさしかかった時、前を走っている車もその路地に入って行き、その車の後ろに付いて行く形になった。
路地に入って少し進んだ川の横のガードレールに、花束が供えられていた。
ここで溺れて亡くなった子供に供えられたものなのかは判らなかったけど、なんとなくそれらしい感じもした。

その後に少し進むと、前を走る車が突然ヘッドライトもスモールライトも消し、無灯火の状態になった。

「おいマジかよ。マジでそういう場所なんだなココは・・・」

「本当にライト消して行かなきゃヤバイのか・・・」

住民なのか、我々と同じように噂を聞いてきたヤツらなのか、判らなかったけど、前を走る車が噂通りにライトを消したのを見て、さすがに全員びびり始めた。

「おいやべぇぞ。早くライト消せ」

そう友達に言われてライトを消して、前の車に付いていった。
外灯などほとんど無い場所なのでかなり暗くて、周りがうっすら見える程度の視界なので、前の車も徐行する感じで進んでいった。

すると、正面に白い壁の家が見え始めた。

「あれか?」

「たぶんあれだな」

うっすらと見えるその家を全員目を凝らして見た。
確かに道は右にカーブしているようで、間違いなくその家だった。
近づいていくと赤いレンガの階段も見えはじめ、さらにゆっくりと進んでいく。

「うわああああああいるいるいるよおおお」

「ええ?」

「うわああああマジいるぞお」

「子供が座ってる!」

「ちょっと早く!早く!離れろ!」

「はやく通り過ぎろって!」

「バカ静かにしろ!」

全員パニック状態になってしまった。
私は運転しながらだったのでチラっと見ただけだったけど、確かに階段の踊り場に子供が2人座って、楽しそうに話をしているように見えた。
それは、ぼんやりと白っぽく透けるような感じで、明らかに人間ではなかった。
しかし、大きさやしぐさ?から子供と感じとれた。

その家を通り過ぎた所でライトを付けて、急いでその場所を離れた。

大通りに出る手前で、前を走っていた車が止まっていて、我々を同じくらいの年齢のヤツらが興奮状態で車の外で話をしていた。
我々と同じく噂を聞いて見に来たヤツらだった。
私も車を止めて、外に出てそいつらの所にいって「見えた?」と話しかけた。

「見た!」

「見えた!」

「確かにいたよな!」

全員パニックりながらも確認しあっていた。

少しすると冷静になり、これだけの人数で全員が全員見れるような心霊現象ってあるのか?
霊って霊感の強いヤツにしか見えないんだよな?・・・なんて言い始め、人数も増えて強気になったせいもあって、「みんなで歩いて見に行ってみよう」って話になった。

我々4人+先行者3人の計7人で歩いて向かった。
あの家が近づいてくると、さすがにまたびびり始めたが、人数と勢いで進んでいった。
こちら側からいくと階段の手すり壁があって、踊り場は正面までいかないと見えなかった。
そして、正面までいって踊り場を見て、全員が顔を見合わせた。

そこには、ニコニコと笑った2人の子供の絵に『いらっしゃいませ』と書かれた看板が置いてあったのだ・・・やられた。
そして車から見た位置まで離れてそれを見てみると、文字や絵の細部までは見えずに、ぼんやりと白っぽく浮かび上がった子供が踊り場に居るようにしか見えなかった。

誰が発見して、誰が話を作ったのかは定かではありません。
もし、ライトを付けたまま行ってたり、昼間に行ってたら、こんなにパニックになるような恐怖感は味わえなかったと思います。
もし幽霊を目の当たりにした時、どういうことになるのかも解りました。

心霊とは全く関係のない落ちのある話を長文で失礼しました。
ただ見た瞬間は、気のせいなのか、“出る”と解っているが故の暗示なのか、確かに子供の霊が足をバタバタさせたり、顏を見あったりしながら楽しそうに会話をしているように見えたので、もしかしたら本当にそこにダブっていたのかもしれません。
不愉快に思われた方がいらっしゃいましたら、お詫び申し上げます。

この話には後日談があるので、投稿したいと思いますが、ここまで読んでこられて興味の無い方は、スルーしてください。

後日談。
数ヶ月後、どこからその話を聞いてきたのか判りませんが、友人Hが「◯◯に子供の幽霊が出る家があるらしいんだけど、行ってみないか?」と言う話が出たので、行ってみることにした。

メンバーは私と友人Mと、今回主人公の友人Hの計3人だった。

当然、私と友人Mは既にそのネタは知っていましたが、どうせ暇だし知らないフリをして友人Hに付き合うことにした。

友人Hは、近くの川で溺れた子供の霊が出るとか、ライトは消さないと憑りつかれるとか、そこに止まってはいけないとか、若干違う内容が追加された説明を始めたので、ほうほうと聞きながら例の場所へ案内してもらった。

◯◯橋の横の路地を入ると、すぐにライトを消せと友人Hから指示があったが、暗いから危ないとか理由を付けてライトを消すのを拒んだ。
すると友人Hは、「憑りつかれるからライトを早く消せ!」とブチ切れそうになりながら声を荒げて言い始めたので、わかったわかったと、なだめながらライトを消した。

しばらく進むと例の家が見えてきたので、「あれか?」と友人Hに聞くと、「たぶんあれで間違いないと思う」と応えた。
そのまま進んでいって、もうぼんやりと子供の霊?が見えてきたのに友人Hは無言だったので、「ここ?何か見える?」と聞いてみた。

友人Hからは相変わらず返事が無かったので、友人Mに「何か見える?」と同じ質問をちょっと笑いながらした。
すると友人Mは「なんも見えないけど、どうなんだ?ガセか?」と答えた。

っと、その時。

H「ばっか!いるじゃねーーかよおおおお」

私「え?どこに?」

H「階段のとこに2人いるじゃねーーかよおおお」

M「誰も居ないぞ?」

H「いるだろうがああああ!おまえらバカか!」

私「何もいないよなぁ?」

H「いるだろうあそこにいいい、おぇえええええ、おえぇえええええ」

友人Hは泣いて吐きそうになりながらパニックに陥っていた。
あまりにも可愛そうなので、ライトを付けたままもう1周してあげた。

数週間後・・・ 。
後輩から「◯◯に子供の幽霊が出る家があるらしいんですけど、知ってますか?」と聞かれた。
もうめんどくさいので、何か聞いたことあるけどよく知らないと答えておいた。