最近正体が判明したので書き込み。

私が中学二年か三年の頃、『校内で所在不明の開かずの扉が開いた』という噂が流れ始めた。

曰くそれは倉庫の中にあり、掃除のため国語教師がこじ開けた・・・。
曰くそれは体育館の奥にあり、体育教師が間違って開けてしまった・・・。

そんな噂が流れてから、それまで聞いたことがない幽霊の目撃談が耳に入るようになっていった。

体育館と校舎の間のスペースに白い女性の霊が居た・・・。
校内の電気が勝手についたり消えたりする・・・。
校庭に手が生えてい・・・。
などなど・・・。

不思議なことに定番のような怪談は無く、あくまで『幽霊の目撃が学校内で起こっている』という、つまりわざわざ学校が舞台でなくてもいいような話ばかりだった。
まあ中学生なんて行動範囲が狭く、そのほうが話しやすいという理由付もできるけれど。

年の離れた妹が通った時にも現存して、かつ目撃談も更新されているため、私の代に生まれたそれらはとりあえず定着しているらしい。

その中で裏はとっていないものの、正体と思える話を聞くことがあった。
それは、『ジーンズだけの下半身が校内をうろついていて、廊下を走っていたり、扉の閉まっている教室に無理やり下半身をねじ込んで入って行ったり』という霊だった。
そりゃあ手がないから開けられないよね。

最近妹が地元のバイト先の店長に、ふとこの話をしたらしい。
すると店長は、『自分より少し前の世代に列車に飛び込み自殺した教師がいて、それが噂になっていた』という話をしてくれたそうだ。

遺体は見事に車輪に轢かれ上半身と下半身に分かれていたという。
もしかしたらその下半身がいまだに学校に留まっているんではないだろうか?と。

わからないのは『所在不明の開かずの扉』。
これがきっかけで様々な怪談話が広がったが、はたして本当にそれがあったのか。
そしてなぜそれが開かれてから学校に霊が現れ始めたのか。

当時噂になった教師に聞く生徒ももちろん居たが、教師はそんな話知らないと言っていた。
開かれる以前から開かずの扉の噂はあり、出処は教師だった記憶があるのだが。
まさか今のご時世にオカルトを一室に封印していたなんて、ないですよねー。