こういったものは初めてなので分かりづらかったらすみません。

私が小学校2年生の頃。
私と祖母とで、大分にある曾祖母の家に帰省していました。
家の外観は古ぼけてるものの、内装は綺麗なものでした。
ある晩、私と祖母は居間に繋がる仏間で寝ていて、居間と仏間は障子で仕切られていました。

寝ていた私は、ふと目を覚ましました。
時間は午前2時頃。

今まで睡眠中に起きるなんてことが無かった私は、少し奇怪な、それであって好奇心を織り交ぜたような不思議な気持ちになりました。
しばらく寝転んだままぼーっとしていると、段々と目が慣れてきました。

天井に何かいます。
いや、こちらに体を向けて浮いています。
とても綺麗な青いドレスを着た女性が浮いています。

私は恐怖心と、またしてもどこからか湧き上がる好奇心に、ただずっと見つめることしかしませんでした。
女性もただ、じぃっと、こちらを見ています。

20分ほど経ったでしょうか。
女性が段々と降りてきている気がしました。

「何だろう、逃げなきゃ」

私は咄嗟に体をじたばたさせようとしただけで終わりました。

体が動きません・・・。

どうしよう・・・ただただ焦っていても、やはり女性は降りてきます。
そして為す術も無いまま、女性は1m程までに降りてきていました。
直感的に「狙われてる」そう感じていました。

その時、女性がこちら目掛けて急降下してきました。
小学二年生の子供がそんなことに耐えれる筈も無く、私は気を失ったかのように落ちてしまいました。

朝、私は目に涙を溜めながら起きました。

「あっ、夢だったんだ」

そうボソッと呟き、自分にある記憶を有耶無耶にしようとしていました。
でも、やはり怖いものは怖い、仏間にある曽祖父の遺影に手を合わせ、居間に行こうとしたその時、あるものに目がいきました。

綺麗な青いドレスを着たフランス人形が、ガラスの入れ物に入れられ、仏間の横に飾られていました。
以前からそこにあることは知っていましたが、存在を忘れていました。
お淑やかな顔立ちの綺麗な女性・・・夢で見た女性にそっくりでした。

・・・ただ、どうしても理解できないことが1つ、ありました。

人形の顔が変わっています。
モナ・リザのような・・・お淑やかな笑みはそこにはありませんでした。
まるで、してやったりと言ったような顔です。

後日談ですが、その人形は私の祖母が中学生の時に、同級生の弔いとして製作した人形だそうです。
その同級生は学校の校舎から飛び降り自殺をしたそうです。

人形には確かに魂が籠る。
今になって痛感した私の怪談でした。
長文失礼しました。