島根県の公園の樹木に女性の顔写真が巻かれたワラ人形2体をクギで打ちつけ、松江署に、こっぴどく叱られた50代の男性がいた。

50代の男性:「女性と恋愛関係でトラブルになり自分の気持ちを静めるためにやった」

あまりに古典的な復讐法に思えるが、実は今“ワラ人形”にもすがりたい人が増えているというから驚きだ。

松江署によると「公園に隣接する小学校の児童が4月に、地面から1・5メートルの高さに打ち付けられたワラ人形を発見。2体とも頭の部分には、女性の顔写真がひもで巻きつけられ、顔や胴体が五寸クギで打ち付けられた状態だった」という。

写真などを手がかりに男性を特定。
同署が任意で事情を聞き、今月上旬、厳重注意した。

男性は女性から「付きまとわないで」などと注意されていた“ストーカー予備軍”だった。
同署は樹木を傷つけることが目的ではなかったとして、器物損壊容疑での立件は見送った。

ワラ人形が事件にまで発展した例としては1954年に秋田県で、女性が恋敵をワラ人形で呪い、恋敵が原因不明の胸の痛みで倒れたため、板ばさみの男性が警察に「恋人がワラ人形で(恋敵に)呪いをかけられている」と通報し、女性が脅迫容疑で逮捕された事件がある。

現在でも「呪ってやる!」などと相手に告げれば、脅迫罪に問われる可能性があり、深夜に寺や神社に侵入すれば建造物侵入にあたる恐れもある。
現代社会で、個人が“丑の刻参り”するのは相当リスキーな行為だ。

だが、恋愛や会社勤めの中で現代人の悩みが尽きることはない。

呪いを代行している「日本呪術研究呪鬼会」はこう説明する。

日本呪術研究呪鬼会:「現在、1日30件程度の問い合わせがある。クチコミで広まり、リピーターも非常に多く、利用者は増え続けている。相談内容は復縁などの恋愛成就が7割、パワハラやいじめ失恋に対する復讐が3割弱で、どちらもワラ人形を使った呪術」

代行を依頼する理由は「技術的にやり方が分からず“呪い返し”が怖いという方が多い」のだという。

日本呪術研究呪鬼会:「利用者はコミュニケーション下手な人が多いと感じる。切羽詰まっていて自分の状況をうまく説明できず、話を詰めなくてはいけない部分には関心が向かず、細部にばかりこだわるなど変わった方も多い。周囲とよく話し合っていれば、呪いをかけるまでに事態が悪化しなかっただろうケースも多い」

同会では電話やメールでのカウンセリングを通して、依頼者の悩みが解消されたと感じられる“着地点”を事前に決めるが、中には“呪い中毒”になる人もいるようだ。

日本呪術研究呪鬼会:「定期的に利用する方の中には毎回、違う誰かを呪ってくれと依頼される方もいる」

また「結婚相談所に入会して最先端のシステムで出会える環境にあるのに自分では動かず、恋愛成就祈願の代行を依頼される方もいる」など、自分では問題解決に一切動かず、ワラ人形にすがってばかりの横着者もいるようだ。