叔父さんの勤めてるタクシー会社は地方都市にある。
これは叔父さんの同僚に起きた事だ。

その同僚の運転手は、ふざけ半分サービス半分位の軽い気持ちでイタズラしてたらしい。
それは乗車するお客さんを一人多く乗せてる状況を作って心理的に脅かす。

客が一人の場合は、ドアを閉める時間を少し遅らす。
客が二人なら、助手席のドアも開ける。
そして会話の中で何気に「今日はお二人でデートですか?」とか「今日は皆さん三人で~」とか言ってたらしい。

ほとんどの客は驚くそうだ。
運転手はネタばらしする事もなく頭をひねり「見間違いしたみたいで、すいません」と言ってほくそ笑んでたらしい。

ある時、一人の女性を乗せた時も「今日はお二人でお出かけですか」と、客は他の客同様驚いた顔をしたが、その客口から出た言葉は「この子が見えるんですか?」と。
運転手は生唾を飲み込み冷たい汗を感じながら何も喋れなかった。

反省したのか、その後イタズラは言わなくなったらしいが、数日後、二人の客を乗せた。

目的地は、住宅街のアパートだ。

しかし、目的地に着いたがアパートは無い。
ナビは間違いなくそこを示してる。
あるのは空き地だ・・・。

「お客さん、住所はここなんですけどね~」

そうと言いながらミラーを見ると・・・居ない?
後ろを振り向くと、顔の焼け爛れた男女が座ってる。

悲鳴を上げながらタクシーから逃げ出す運転手!
その声で出てきた住民に震えながら事を話すと、その1年前、空き地である場所にはアパートがあり、原因不明の火事で若い夫婦が亡くなってると。

運転出来る状態ではなかったから無線で事情を話し、代行の人に来てもらった。
その代行で行ったのが私の叔父さんだった。

”その同僚”を助手席に座らせ叔父さんの運転で会社に戻った。
その時は言わなかったらしいが、ミラー越しにひしめき合ってる何体もの黒い影だった。

翌日、同僚は辞めた。
会社はタクシーをどこかにお祓いしに持っていくと、すぐ廃車になった。
その車が霊を呼び込む器となってるからだそうで、なくなく廃車だったらしい・・・。