俺の田舎は現在廃村になっている。
幼少期に毎年帰省していた記憶も、年々薄れ行くんだが、今年の夏にバイク購入の慣らし運転も兼ねて、ツーリング帰省を実施。

もともと、村民が100人も満たない田舎の集落で、近くの町まで車で2時間程度の、周りを山に囲まれた静かな場所だった。
市町村の統廃合と、過疎化もあると思うんだが、結婚してある日、NHKのTVを見ていたら過疎化に悩む村として、TVで放送されているのを見てビックリ。
俺が中学の時に、爺さんが亡くなり、近くの親戚が実家の管理をしていたはずだったが・・・。

大阪市内から高速を3時間と国道を2時間かけて18年ぶりの田舎に到着。
幼少の頃遊んだ小川や橋の袂を見ながら、色々思い出す懐かしい記憶が蘇る。
実家前に到着して驚いたのは、時間を感じさせる損傷と風化がいたる所に見られる。

子供の頃、居間の柱に落書きをして、爺さんに怒られた時の絵が目に飛び込んできた。
よく怒られもしたし、可愛がってくれた爺さんと婆さんのことを思い出すと涙が出てきた。
その時、何とも言えない視線を感じて見上げると、障子の上に飾っている祖父母の写真が笑っているように見えた。

家の周りの雑草を取り、簡単に清掃して線香をあげて家に帰ると、嫁から「懐妊した」と一言。