自分が山を登りはじめて、夜を過ごしたときに起きた出来事・・・。

その日は、月と星が綺麗で登山のプロさんが(と言ってもこの山は初めての人でも登れる)「月を山頂で見ないか?」って話でみんなで見るってことになって登ることにした。

山中を登ってる最中も月が綺麗で、所々に月の光が木々の間をさしている幻想的な道中だった。
しばらくボ~っと木々の間から見える綺麗な星と月を見ていたら突然、近くでガサガサッて音がした。

びっくりして声を上げたら、プロさんは「ありゃ動物だ気にするな」といったから安心して登って行った。

その後が変だった・・・。

今度は一部の木だけが異様に揺れている・・・。
何?あれは・・・と心の中で思いながらも何も言わずに登って行った。

そして、川の近くに辿りつき休息を取り、お話をしていたら「フォゥ・・・フォゥ・・・フォゥ・・・フォゥ・・・フォォォォウ」って声が響いた。

ここの山にはフクロウやミミズクは居ないはず。
かなり恐いって気持ちが心に強く来た。

プロさんは何も言わず立ち上がり「行くぞっ、後ろは振り返らなくていい、どんな音がしてもケモノだと思え。山頂はまたいつかだ、今日は引き返すぞ」といい歩きはじめた。

登山道は道が狭い為、並んで歩くことなんて出来ない。
とにかく、みんなは後ろにつくのが嫌だった。

考えてみると恐怖が植え付けられると暗闇の恐ろしさが身を焦がす。
足場が悪い(とゆうかヘッドライトで照らしても遠距離間をとるのが難しい)ので急ごうにも急げない

心臓は早鐘のように打つ・・・。
けれど耳は冴えてくる。
聞こえるのは息遣いと足音。

突然、何かが崖に近いとしか言いようがない所から後に落ちてきた。
一番最後尾の人の近くに・・・(自分は後ろから3番目)

それは、山道にピタッと止まったようだ。
なぜなら足音の数が増えたから。
それと、カツッカツッとゆう登山ステッキの音。

誰も後ろに振り向こうとしない。
とゆうか振り向けないっ。
足音は離れないようにぴったりとついて来る。

そして、あの・・・声も・・・。

「フォゥ・・・フォゥ・・・フォゥ・・・」

ただその声が響く・・・。

足は震え何もかもがわからなくなってきた。
一番最後尾なんて最悪だろう。

どれくらいこの声と足音、そして石の上を叩くような登山ステッキの音を聞いて来たのだろう。
ぼく達は自分達のキャンプサイトまで辿りついた。

逃げるようにぼく達は走り、真っ先に行ったのは管理塔、なぜなら明かりがついてたから。
ぼく達は明かりだけでも欲しかった。
あんなヘッドライトで一部だけ照らされて周りはまっくらは嫌だった。

管理塔の人達は事情は分かってたらしい。

「山は不思議な所だ。どんなことがあってもしょうがないさ。あんたらの体験したことなんてまだ軽い方さ」と言っただけだった・・・。

軽い?これが?

山は生と死、そして美と魔が入り混じる場所。

今宵も何かが起きている