スーパーなどで、調理しやすく、また鮮度を保つために頭を落として売られている“無頭えび”。実は無頭えびの中にはエビではないものがある。

2013年、あるホテル・レストランで提供している料理のメニューで実際とは異なる食材が用いられていることが判明し、その後、飲食店だけでなくデパートやスーパーなどでも、さまざまな偽装が発覚し「食品偽装問題」として社会問題となった。

食品偽装が社会問題となったころ、あるスーパーが偽装がないかの調査を行った。
その時発覚したのが、無頭のブラックタイガー(エビの一種)として仕入れていが無頭えびが「えび」ではないという事実だった。

間違いなくブラックタイガーであることを確認するために、流通経路を遡っていくと「無頭」に加工する工場で無頭えびの正体を知ることになった。

パック詰めされていく無頭えびは、いつも店で見ているもので間違いない。
しかし、頭部を切り落とす作業場には、頭部が不気味でおぞましい「えび」とは違う生き物がカゴ一杯に入れられていた。
頭を切り落とし、体だけになれば「えび」そのものだが、そこにいたのはある国で大量に捕れる水中昆虫だった。

スーパーはこの事実を訴えることはなかった。

仕入れを担当していたバイヤーは、ブラックタイガーでないことを知っていた。
この無頭えびは過去数年仕入れられていて、かなりの数を販売しているため、発表すればスーパーは間違いなく潰れてしまう。
販売は中止されたものの、この事実が発表されることはなかった。

この水中昆虫は、いまも大量に輸入されている。
あなたがえびと思って食べているものは、えびではないかもしれない。