ちなみに実話です。

いつからか覚えてはないんだけど、バイト先に“変なのが居る”ことに気付くようになった。

シフトが早番な時は大抵俺が一番先に店に着くことが多かった。
その場合、鍵を管理してる管理人の所に行って「~でバイトしてる◯◯ですけど、店開けるんで鍵お願いします」と言ってバイトコードを書き込み、鍵を貰うと店の裏口の鍵を開ける。

もちろん店の中は真っ暗なんだけど、裏口のドアを開けたこの瞬間、暗い店内に何かがいることがある。
とは言ってもはっきりこんな奴・・・って説明出来るわけではないが、とりあえず小人サイズの奴でマックロクロスケを人形(ひとがた)にしたような容姿をしてる。

その小人はドアを開けると「やべっ、人間が来た!」とでも言うように急いで物陰に隠れる。
店の電気をつけるともう小人は居なくなり、以降探しても見付けることはできない。
だから、小人に会えるのは朝一番で店を開ける瞬間だけなわけで、不思議と怖さはなかった。

むしろ今では愛着さえ湧いており、店を開ける際は慌てて隠れなくても大丈夫だよという意味を込めて、不必要にドアをガチャガチャと音を立てて「今から人間が来るぞ~」と軽く小声で言った後ゆっくりドアを開けるようにしている。