某テレビ局系列のポスプロに勤めていたときの話です。

※「ポスプロ」あるいは「ポストプロ」とも略され、映画、放送、CMの撮影終了後に行われる作業の総称。また、この作業を行うスタジオや製作会社のことも指す。CGを駆使したVFX合成などの特殊効果処理のほかに、フィルムの編集、音楽製作、ナレーションやアテレコ、アフレコの録音などの作業が含まれる。

その編集所には、『絶対に消えないテープ』というものがありました。
それは、以前に心霊番組の特集を編集した際、やりくりとして、素材のテープの内容を別のテープにダビングしたもので、その番組の放送が終われば、イレーサーという特殊な機械にかけられ消させるはずでした。

ところが番組放送終了後、そのテープをイレーサーにかけてみても、ダビングをした日本人形の映像だけは消えませんでした。

ポスプロのスタッフは最初は半信半疑で、何度も何度も繰り返しイレーサーの機械をかけたり、他の映像をダビングしてみたりしたそうなんですが、それでも日本人形の映像だけは消えませんでした。

結局、今もそのテープは、日本人形の映像が入った状態のまま編集所で保管されています。
その他にも、電源を落としたビデオデッキが勝手に動きだしたり、突然、編集室にお経を唱える声が聞こえてきたりすることがあり、それ以来、その編集所ではオカルト番組の仕事を受けるのはやめたそうです。

ちなみに、オカルト番組で取り上げる心霊スポットって、お祓い済みのところが多いです。
お祓いされていない場所で撮影をすると、本当にスタッフの身が危ないので、必ずお祓いを済ませてから撮影をするとか。

個人的には、消えないテープよりも、飛び降り自殺の遺体を撮影した映像の方が怖かった・・・。