小さい頃、たまに人の残像みたいなのを見ることがあった。
人が動いたときに一瞬ぶれて見える。
年に4~5回程度だったからあんまり気にしてなかったし、みんなそういうことがあるんだと思ってた。

小学校に上がると、そのぶれ方が少し大きくなった。
今までほんの一瞬だったのが、0.5秒くらい見えるようになった感じ。
前と違って見えたときに何か違和感があったけど、相変わらず年数回の出来事なので深く考えなかった。

四年生の夏休みに横断歩道で信号待ちをしていたとき、向こう側の歩道をおじさんが歩いていた。
反対側から自転車がきて、おじさんがちょっと立ち止まってまた歩き出したとき、残像が見えてびっくりした。

おじさんは髪の毛が薄い人だったのに、ぶれて見えたのは肩まで髪がある女の人だった。
それから何度か同じ現象を経験したけど、やっぱりぶれて見えていたのは本人じゃないことがわかった。

背後霊が見えていたのかもしれない。
六年生になったくらいから一度も見ていない。