思春期の少女の3割は、自分の父親のことを「臭い」「汚い」と思っている。
自分の父親を臭いと感じる娘は、その父親と同じニオイいを持っているので臭い。

好みのタイプではない。
裕福なわけでもない。
理由はわからないが、人を好きになることがあるのは、遺伝子とニオイが関係している。

恋愛遺伝子ともいわれ注目されているHLA遺伝子。
HLA遺伝子は、父親と母親から、子に受け継がれる「型」が決まる。

人はこの「型」が遠いほど、より強くて丈夫な子孫を残すことができる。
そのため、好みのタイプでなくとも、「型」が遠い異性であれば惹かれあう。
逆に型が近いと、容姿が好みのタイプであってもうまくいかない。

優秀な子孫を残せる相手ではないと、本能的に相手を遠ざけようとする。

「型」が近ければ近いほど、相手を受け入れられなくなる。

恋愛対象として、好きでも嫌いでもないというのは、「型」が遠すぎず、近すぎず、程よい距離。

生理的に受け付けないというのは、極めて近いということ。

近親者(親子兄弟姉妹)に対して嫌うこともなく、恋愛感情もないのは、父親と母親の遺伝子がかけ合わさることで、近い「型」ではあるが、ほどよく遠いから。
ほんの少し遠い「型」が産まれると、親子間、兄弟間でも愛情が芽生え、近い「型」が産まれると、親子間、兄弟間でも憎悪が芽生える。

HLA遺伝子は、フェロモンとして分泌されているので、その人のニオイとして感じることができる。
人はこのニオイで、「型」の遠近を測っている。

どんなに汗臭くても、好きな人のニオイを嫌うほど「臭い」と感じないのは、型が遠く遺伝子の相性が良いということ。
逆に「臭い」と感じるのは、型が近すぎるということ。
娘が父親を「臭い」と感じるのは、「型」が普通より近く産まれたためである。

「型」が近いということは、娘も同じようなニオイがしている。

父親を「臭い」と馬鹿にしている娘は、自分が「臭い」と言っているのと同じこと。

ただし、このニオイは子孫を残すためのフェロモンをかぎ分けて「臭い」と感じているだけなので、他人からすれば、特に臭いと感じるニオイではない。