近所の山奥に「繭玉」という、白い毛で覆われた繭のような物が置かれている古い神社がある。

ある日、私と友人2人でそこの神社の繭玉の糸を一本抜いてくるという肝試しをやることにした。
今思えば罰当たりも甚だしいのだが・・・。

その神社は山のふもとから歩いて約5分の場所にある。
友人のK、私、Tの順番になった。
Kは出発してちょうど10分で戻ってきた。
そして私も5分で神社につき、糸を抜き戻ろうとした瞬間「二本・・・」と言う声が聞こえたような気がした。

風も強く空耳かと思い、気にせず二人がいる場所へ戻った。
そして最後にTが出発した。

私たちは30分くらい待っただろうか。
さすがにしびれをきらし神社に向かった

「おーいT。どこだー?」

返事は無い。
よく目を懲らすとTが倒れていた。
私たちは駆け寄り「大丈夫か!?」と声をかけた。

するとTは目を開け、地面に転がる繭玉を指差した
Kは「罰当たるぞ」と言いながら元の場所に戻そうと繭玉を持ち上げた。
するとKは「うわあぁ!」と叫んで繭玉を放り投げた!

私はあまりの恐怖に声が出なかった。

繭玉の正体は白い髪の毛で覆われた人間の頭だったのだ。
しかも白骨ではなく生身。
白髪の女らしきその頭は地面に転がりこっちを睨んで言った

「髪の毛、返して」

そう言うとその頭はこっちに転がってものすごい形相で「返せ!!」と言い、私たちの髪の毛を引っ張りだした。

もちろん手は無い。
それなのに私たちは毛を何かに引っ張られた。
激痛で私は気を失った

気がつくと朝だった。

三人はここの神主らしき人に起こされた。
そして私たちは昨晩の体験を話した。

すると神主はあの繭玉を持ってきた。
私たちは身をすくめ、恐る恐る見るとただの繭の玉。
そして神主はこう言った。

神主「この繭玉には霊魂が宿っている。昔、雨乞いで若い女がここに連れてこられ、髪をむしり取られ、亡くなった。そしてその髪をこの繭玉に髪を巻きつけ、神に捧げたという言い伝えがある。言わば怨念の塊のようなもの。遊び半分に触ると祟られる。もうこんなことはやめなさい」

私たちはその話を聞いて愕然とした。
そして私たちは二度のその場所に近づくことなくなった。