カシマさんとテケテケはしばしば混同されがちだが、両者は全く別々の存在である。

『カシマさん』
時は終戦直後の1948年、米軍が日本を統治していた頃の兵庫県加古川市で、鹿島礼子(当時23歳)という地元で評判の美女がいた。

ある日、鹿島礼子が加古川駅の近くを歩いている時、彼女は運悪く数人の米軍兵士達に突然襲われ、衣服を無理矢理引きちがれて次々と兵士達にレイプされてしまった。

レイプされた彼女はその後大きな悲観を感じて、不幸にも自ら自殺をはかり、鹿島礼子という怨霊と化してしまった。
そして、彼女の霊による呪いは、レイプ犯である数人の米軍兵士達に向けられた。
やがて兵士達は鹿島礼子の呪いによって次々と変死を遂げ、皆殺しにされてしまう。
こうして鹿島礼子は呪いを司る霊となり、この話を聞いた者には3日以内の夜に鹿島礼子が、枕元もしくは夢の中に現れるという・・・。

鹿島礼子は、美女、体の一部が欠損した女性、または体の一部がケロイド状になった女性として現れる。
そして謎掛けの質問を仕掛けてくる。

「手を私にくれますか?」と言われたら、「今使っているからダメです」と答えなければならない。

「足を私にくれますか?」と言われたら、「今必要だからダメです」と答えなければならない。

さらに、「じゃあ、私の足はどこにあるの?」と質問されたら、「名神高速道路にあります」と答えなければならない。

「それじゃあ、私の名前はなぁに?」と質問されたら、「カシマレイコです」と答えなければならない。

しかし、場合によっては、「私の名前は漢字でなぁに?」と質問される時がある。

この質問には、「カは仮面のカ、シは死神のシ、マは魔神のマ、レイは霊魂のレイ、コは子供のコ」と答えなければならない。

すなわち『仮死魔霊子』である。

これらの質問に答えられなかったり、不正解を出すと、呪いでとどめを刺されて死んだり、体の一部を切り落とされて持っていかれる。
そして、警官が複数の呪いの現場を地図上で点をつけてラインを引くと、人間の胴体に似た輪郭になったともいう。

ただし、先手を打って「カシマさん、カシマさん、カシマさん!」と呪文を唱えれば、鹿島礼子はただちに退散するという。

ちなみに鹿島礼子は、別名『鹿島大明神』『カシマ様』と言われるほど高貴な存在であり、学校の怪談に出てくる下半身のない『カシマレイコ』は、『テケテケ』が学童らによって勝手にカシマレイコと命名されて捏造された、ニセ鹿島礼子である。

『テケテケ』
別名『パタパタ』ともいう。
時は恐らく1980年代の2月、北海道室蘭市内の踏み切りで、女子高生が鉄道自殺をはかったのが始まり。
彼女の体は上半身と下半身に真っ二つにちぎれ、即死状態になり、雪上の一部は真紅に染まった。
やがて彼女は、下半身のないゾンビのような体中傷だらけのテケテケという怨霊と化し、上半身だけで獲物を求めてこの世を彷徨うようになった。

テケテケは下半身がないが、2本の腕の力だけで150kmものの速度で走ることができ、一旦狙われたら最期、逃げることもできずに餌食となり、牙とすごい顎の力で体中食い荒らされ、最後には上半身と下半身に引きちぎられてしまう・・・。
そう、餌食になった者は新たなテケテケとなり、この世を彷徨うこととなる。
テケテケは通常単独で現れるが、複数のテケテケたちが群れをなして現れる説もある。

ちなみに、学校の怪談では、勝手にカシマレイコと命名されたテケテケが出てくる。