見える霊能者の人と会ったことがある。

当時の俺はやたらと電車のホームで線路に引っ張られるような現象に悩まされてて、それで方々巡ってその人を紹介されたんだわ。

初対面の印象はただの主婦。
でも俺とは目をあわさずにすぐに足元を凝視されて「足重たいだろ」と、挨拶と自己紹介の返事がこれ。
うんざりしたって顔だったのが印象的だった。

とりあえず適当に話合わせてから除霊を頼んだ。

霊能者:「入って」

そうして足を一歩踏み出そうとしたら動かない・・・。

霊能者:「消されるの分かってるんだよ。必死にしがみついてる」

後ろを振り返りもせずに言った。

除霊は最悪な体験だった。

霊能者:「おまえらが見えるおかげで亭主には逃げられるわ、散々な目にあってきた。少し取り立てさせてもらうよ」

充血した目を見開きながら玩具の剣みたいなのを俺の足元に向けて振るわけね。
足の表面がなんか縋るように掴まれてるっつうか、すくなくとも痛みがあるのよ。
ガチガチ震えながら全部終わるの待っていた。

霊能者:「もう大丈夫」

俺:「あの・・・どうなったんですか?」
霊能者:「なぶり殺しにしてやったんだよ。あいつら霊魂だから犯罪にもならないし」

すっきり爽快ってかんじの晴れやかな笑顔だった。
チンポの先端からちょろろって水分が漏れた。

ちなみにその人の除霊は無料だった。

テレビなんかで霊能者ってみると、さも悪霊と闘う正義の味方といいたげなやつか、物言えぬ霊をやさしく諭す寛容なやつか、どっちにしても詐欺師にしかみえないようなやつばっかだけど、あれは本物だわ。

でも二度と近づきたくない。
死後の世界が本当にあるのなら、俺もいつか霊になるわけだろ?

その霊を・・・虐殺して楽しむようなやつには二度とご厄介にはなりたくないわ。