知人の女性から聞いた話。

A子さんは今から30年前に、米国の高校へ留学していたらしい。

ある日、学校主催の小さなパーティに出た時の事、青年が後ろから駆け寄って、入口のドアをサッと開けてくれた。
初めて経験したエレガントなレディファースト、しかも相手がハンサムな青年だったので、A子さんはドギマギして何も言えなかったそうだ。

翌日、仲の良い友人にその話をしたら、友人はその青年を探し出そうと言い出した。
A子さんは乗る気では無かったのだが、彼女持ちの男だったら一人でパティー会場に来るはずは無い、「チャンスよ」と友人は言って学校中を探し始めた。

田舎の小さな学校だから、すぐに見つけられると思っていたのだが、意中の青年は学校にはいない。
友人は色々と調べてくれたのだが、あの日ここの生徒以外の男子は来ていなかった事も分かった。

なぜか青年を見つけられない事に落ち込んだ友人は、「幽霊かも」と言い始めた。

A子さんは走り回ってくれた友人に気を使い、「幽霊だったのかも知れないね、でももう一度会いたいなぁ。だって、彼、凄く優しそうだったのよ」と言うと、友人は顔を青くして支離滅裂な事を言い出した。

友人の言葉をまとめる。
・この町に、若い男の幽霊が出るって噂がある。
・その男は隣街で何人もの女性に乱暴しては殺した連続殺人犯だった。
・追われた男が逃げる途中、この町外れで警官に撃ち殺された。