学生の頃の話。
友達と4人で深夜ドライブしていた。
田舎の細い道で周りは民家だったのでカーステの音量を下げて通り過ぎようとしたら、運転してたAが急に車を止めた。

私は助手席にいたのに気付かなかったのだが、「猫を轢いたかもしれない」と言う。
Aが確認しに行った所やはり死んでいた。
すると後部座席のBが「猫は祟るから成仏させる為には木に吊さないといけない」と言い出した。

「かわいそうだからやめて、埋めてあげた方がいい」と言っても聞かず、結局運転手のAと言い出しっぺのBが実行することになり、懐中電灯とビニール袋を持って行った。

私ともう一人後部座席にいたCは車で待機。
しばらくして二人は戻ってきた。

Bがビニール袋に入れて木の枝に吊したそうだ。
母猫だったようで、終わるまでは子猫が側にいたらしい。

「気持ちを残すとついてくるから忘れろ」と言われても、あんなことしちゃいけないんじゃないかと余計に忘れられない。

それからしばらくBからの連絡が無く、十日ほどして電話してみると、熱を出して一週間寝込んでいたそうだ。
以下Bの話。

ドライブから帰って玄関のドアを開けると血に染まった猫の足跡が一つあった。
同棲中の彼女に塩を持ってきて貰い、体に振りかけて盛り塩をした。
足跡を拭いても擦っても消えない。
それから一週間彼女も一緒に熱を出して寝込んでいた。

Bに会ってみるとやつれていたが、その後は何も起こらず、しばらくして足跡も消えたそうだ。