小学生の頃、プールの授業でプールにコウモリが浮いて死んでいた。
動物好きなのか物好きなのか分からん友達が、放課後埋めに行こうと言うのでなんとなくついて行ったんだ。

当時クラスで飼っている生き物などが死んだ場合、大体埋める場所は決まっている。
放課後は部活もあるのでその場所まで走っていた時、一階の端っこにある保健室の窓から部活のA先生がこちらを見て笑っていた。
もともと派手な服をよく着る女性で、その時は白地に花柄の服だった。

ばっちり目が合ったので、友達に「A先生がいたよ!」と報告。
コウモリの死骸を持ちながら走る友達は、それどころじゃなかったのか見ていなかったらしい。

「ふーん」とか「えー?」とか曖昧な答えだったと思う。

で、コウモリを無事埋葬して合掌。
教室に戻る帰り道、保健室とは離れた職員室(同じく一階)の窓からA先生が見えた。

黒っぽい格好をして、他の先生と話していた。
埋葬といってもそんなに時間が経っていないのだが、その時間で保健室で着替えたのか、部活に急ぐがゆえ幻を見たのか。

凄くリアルだったし、20年近く経った今でもあの笑顔は忘れられない。